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「面影どこ行った」「強烈過ぎる」 イケメン俳優が再現した実写版の凶悪な敵たち

数々のマンガの実写版映画では、主人公やヒロインのほかに「悪役」も重要です。今回は人気のイケメン俳優たちが、演技力で再現した衝撃の悪役たちを振り返ります。

イケメンが消えた凶悪ヤンキーが衝撃

柳俊太郎が再現した『ゴールデンカムイ』二階堂浩平、洋平の双子のキャラクタービジュアル (C)野田サトル/集英社 (C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
柳俊太郎が再現した『ゴールデンカムイ』二階堂浩平、洋平の双子のキャラクタービジュアル (C)野田サトル/集英社 (C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

 毎年何本も作られるマンガの実写版で重要視されるのは、キャラクターの再現度です。観客を共感させる主人公たちのほかに大事な役割を担うのが、強烈な存在感を発揮する悪役たちでしょう。今回はイケメン俳優たちが全力で演じ、衝撃を呼んだ悪役たちを振り返ります。

●『ゴールデンカムイ』二階堂浩平&洋平

 明治期の北海道を舞台にした野田サトル先生の「感情闇鍋ウエスタン」マンガ『ゴールデンカムイ』の実写映画は、2024年1月に公開されると高い評価を得て大ヒットしました、各キャラクターの再現度も話題を呼んでおり、主人公の杉元(演:山崎賢人)たちの敵となる陸軍第七師団の軍人たちはビジュアルや喋り方など、強烈な存在感を発揮しています。玉木宏さん演じるリーダー鶴見中尉の演技も評判でしたが、1作目で敵として原作以上の活躍をしたのが柳俊太郎さん演じる二階堂浩平、洋平の双子の軍人たちです。

 栁さんはモデル出身で端正な顔立ちながら、『るろうに剣心』の乙和瓢湖や『今際の国のアリス』のラスボスなど、これまでも実写版でインパクトの大きい悪役を演じてきました。もともと『ゴールデンカムイ』読者で二階堂兄弟も好きだったという柳さんは、後からCGで自分の顔が張り付けられるボディダブルの演者の動きを狂いなく覚えるなど、過酷な撮影のなかで二階堂を熱演します。終盤の「馬ぞりチェイス」の場面では、実写オリジナルとしてそりの上で杉元と浩平の激しい格闘シーンも描かれました。

「モデル出身でガタイもいい分、余計怖い」「鶴見と一緒に原作から連れ出されたのか?って疑った」「顔や表情も凄いけど、難しい双子をひとりで演じ分ける演技の器用さとファンを納得させるレベルの再現度が見事」「しゃべり方とか顔の動かし方までマジキモいし完璧」と絶賛された実写版二階堂兄弟ですが、片方の洋平は映画の途中で原作通り杉元に殺されてしまいました。

 2024年秋にWOWOWオリジナルドラマとして放送される続きの物語では、復讐に駆られた浩平が暴走し、さらにヒグマに襲われたことをきっかけに定期的に身体を欠損していくことになります。予告編では原作ファンにはおなじみの「ヘッドギア」を付けた姿も登場し、「かわいすぎる」「早く『誰なの 怖いよぉ!』の場面も見たい」とさらなる期待を集めていました。今後、どんどん人間離れしていく二階堂浩平を柳さんがどう演じるのか、要注目です。

●『キングダム』成キョウ

 中国の春秋戦国時代を舞台に描いた『キングダム』では、数々の実写版に出演してきた本郷奏多が悪役の成キョウを演じ高い評価を受けました。成キョウは王族の純粋な血を引く自分が秦国の王になるべきと考える野心家で、兄のエイ政(演:吉沢亮)に対し反乱を起こします。年齢的には幼い少年の成キョウは、憎たらしい笑みを浮かべた醜悪なキャラで、実際の本郷さんとは大きくかけ離れたビジュアルをしていました。

 しかし、本郷さんは彼の片眉や片方の口角だけ動かすいびつな笑みや嫌味な言い回し、玉座でのふてぶてしい座り方など、細かい部分まで成キョウを分析し再現してみせます。マンガ好きで原作を最重要視し、なおかつ悪役を演じるのも大好きという本郷さんにとって代表的なはまり役となりました。シネマトゥデイのインタビューによると、「確かに悪い奴なのですが、彼は『自分が正しい王族の血をひく人間なんだ』という彼なりの“正義”のもとに行動している。そこは大切にしたかった」とのことで、最後までブレない悪役を演じています。

 ちなみに実写『キングダム』は2024年7月公開の4作目『キングダム 大将軍の帰還』の予告で「最終章」という文字が出たため、もうすぐ終わると予想されているようです。原作ではさらに後で成キョウが「味方」として復活し、カッコいい活躍を見せるので、ぜひそこまで実写化してほしいのですが難しいのでしょうか。

●『東京リベンジャーズ』キヨマサ

 大悪党、というわけでもないリアルなヤンキーを演じて評判を呼んだのが、2021年公開『東京リベンジャーズ』(原作:和久井健)の清水将貴(通称:キヨマサ)を演じた鈴木伸之さんです。かつて主人公の花垣武道(演:北村匠海)たちを奴隷扱いでこき使い、東京卍會をやめさせられた後は、ドラケン(演:山田裕貴)を殺そうとする悪役を演じました。

 発表時、原作では強面でみっともない負け方をするキヨマサを鈴木さんが演じることに関して、「ザコ悪役にはもったいない」「イケメン過ぎるのでは」という意見も出ています。この反応は、鈴木さんが過去に『HiGH&LOW』シリーズのヤマト役や『今日から俺は!!』の佐川直也など、硬派でかっこいい不良を演じていたことも大きいかもしれません。

 そんな、鈴木さんはシネマトゥデイのインタビューで悪役を演じることの楽しさを語り、「こういう人間とは関わりたくないと思うような……反面教師として見てもらえるように、心を鬼にして演じました」と言っています。2022年4月の「ポップUP!」(フジテレビ系)に出演した際は、キヨマサを演じていた際に「救いようのない人なので、善の気持ちを一切捨ててやろうってやってたのでプライベートも結構素行悪かったと思うんです」と影響が出たことも語っていました。

 映画公開後は、「鈴木伸之の爽やかイケメンの面影もくそもないくらい消え去ったキヨマサ」「マジで嫌悪感しかない不良感すごい」「目付きってあんなに変われるもんなんだな」「キヨマサが鈴木伸之さんだと気付かなかったので俳優ってすごいな……となっているところ」と絶賛されています。185cmの体格も活かし、徹底的な悪役を演じ切りました。

※柳俊太郎の実際の栁の字は「木」偏に「夘」

※成キョウのキョウの字は「虫」偏に「喬」

(マグミクス編集部)

【画像】え…っ? 「イケメンどこ行った」「怖いのに色気ある」 これが実写版で人気俳優が演じた衝撃の敵たちです(9枚)

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