【漫画】Xに湧くインプレゾンビの意外な正体?「んなワケない」「ブロックしづらくなる!」
インプレゾンビと思われる外国語の投稿を即削除しましたが、実は投稿者は意外な人物で……? X(旧:Twitter)上で多数出没し、問題となっている「インプレゾンビ」を独自の視点で扱った創作1ページマンガが反響を集めています。作者の北嶋一喜さんにお話を聞きました。
外国語の投稿、画面の向こうにどんな人物が?
X(旧:Twitter)上で「インプレゾンビ」と呼ばれる、広告収入を得るためにインプレッション(閲覧回数)を増やす目的で迷惑投稿を繰り返すアカウントが多数出没しています。多くは海外のアカウントと思われ、バズったポストに意味のないコメントをしており、重要な投稿が埋もれてしまうこともあって問題視されています。
このインプレゾンビを独自の視点で扱った創作1ページマンガ『インプレゾンビの正体』がX(旧:Twitter)で公開されました。インプレゾンビと思われる外国語の投稿を即削除しましたが、実は画面の向こうには意外な人物が……?
読者からは「んなわけない」「絶対違う」「数パーセントの可能性はあるな」「ブロックしづらくなっちゃう(笑)」「これなら許せる」「この投稿にインプレゾンビが大量にコメントしてるのが笑える」などの声があがり、投稿には7.3万いいねの反響が集まっています。
作者は漫画家でテレビディレクターの北嶋一喜さん(@kazkitashima)です。X(旧:Twitter)でイラストやショートマンガを多数投稿しているほか、自身が関わったテレビ朝日系の番組から誕生したマンガ『マンホール戦記アオイ』の作画を担当し、電子書籍全3巻が販売中です。
作者の北嶋一喜さんに、お話を聞きました。
ーー今回のマンガを描こうと思ったきっかけを教えて下さい。
最近、X(旧:Twitter)に投稿したイラストがなぜかバズったのですが……そのイラストについたコメントを見ていると、海外の言葉で同じ内容のコメントが連続していたり、カタコトの日本語だったり、ほかの人のコメントをコピペしたものだったり……そんなコメントがかなり多く目につきました。
言葉としては以前から知っていたのですが、「ああ、これがインプレゾンビってやつか!」と実感。消した方がいいのかな? と思いましたが……ふと考えました。「外国語だから分からないけど、このなかに純粋に絵を楽しんでくれてる人もいたりして……? カタコトだけど、カタコトの日本語で感想を伝えてくれようとしてくれてる人もいたりして……?」その思いを、デフォルメしてマンガにしました。
ーーご自身もインプレゾンビに困っていらっしゃいますか? インプレゾンビについて思うことがあれば教えて下さい。
僕個人としては、まだ困ったことはないです。が、重要な災害情報や交通情報のコメント欄が荒らされることがあるそうなので、何か対策すべきとは思います。やろうと思えばできるのでは。
ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。
まず、「こういう優しい世界だったら良かったのに……」といったコメント。いかに今のX(旧:Twitter)が殺伐としているかが分かります。
次に、「仮にこの子だったとしても、インプレゾンビは許さない!」というコメント。まったくの誤読をしていて、この子はインプレゾンビではなくただ純粋にファンとしてコメントをした海外の女性です。なのにこの子がインプレゾンビ行為をしていると誤解している人も多くて……。この子の濡れ衣を晴らすために、もっと深堀りした続編を描きたいくらいです。この子は悪くないです。
ーー北嶋一喜さんの漫画家としてのデビューのきっかけを教えて下さい。
大学生のときに「週刊少年ジャンプ」で連載して短期打ち切りになり、それ以降は就職して会社員をしていました。(もう20年近く前の話ですが……)マンガやイラストは完全に趣味として、最近また描き始めました。雑誌という枠がなくても絵を発表できる場がたくさんあって、今の漫画家志望者の皆さんがうらやましいです。
ーーX(旧:Twitter)では『マッチングアプリの少女』シリーズも反響を呼んでいます。このマンガを描こうと思ったきっかけや、描く際に工夫したことなどを教えて下さい。
思い付きは完全に、しょーもないダジャレです。『マッチ売りの少女』の絵本のパロディでマッチングアプリの少女って面白くね?……と。しかし描いているうちに、何か現代に潜む闇に接近しているような、何かを風刺するような意味合いを帯びてきて、描いていてヒヤヒヤして面白かったです。
童話っぽいかわいらしい見た目のなかに、よく見ると猛毒が隠されていた……という読後感にしたくて、細かい小道具などにこだわっています。
ーー今後、X(旧:Twitter)で発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
1枚絵や1ページマンガが多いですが、過去にストーリーもののマンガを描いていたので、もっとページ数の多いマンガも描けたらいいなと思っています。例えば、マッチングアプリの少女・アンナを含む、名作童話の主人公たちが、現代の東京を生き抜くシリーズとか……インプレゾンビと誤解された海外の女子と、日本の売れないイラストレーターの交流を描く「インプレゾンビちゃんの恋」とか……。時間が許せば描きたい題材はたくさんありますね。
(マグミクス編集部)