「ラストはテロップのみ」「3行で補足」 最終話を文章で押し切った作品
アニメやマンガ作品において最終話は、その作品の評価を決める重要な役割を担っています。しかし、なかには視聴者や読者の間でご法度とされる「夢オチ」や話の途中で終わってしまう場合もあり、物議を醸すことも少なくありません。また、最終話でテロップや長文の補足などで乗り切った作品も存在します。
大事なラストシーンなのにテロップで終了?
物語において「最終話」は、その作品の評価を決める重要な部分であることは言うまでもありません。数ある作品のなかには唐突、強引に完結したりことで、物議を醸したマンガやアニメも存在します。
例えば「夢オチ」で積み上げてきた物語のすべてを回収するという方法は有名で、ご法度な終え方と思う人も少なくないでしょう。ほかにも、「この終わり方は強引なのでは」といった声があがる作品も数多くあります。今回は、「あらすじやテロップなどで押し切ったアニメやマンガの最終話」を振り返りましょう。
●TVアニメ『蒼天航路』
1994年から2005年まで「モーニング」にて連載された『蒼天航路』(作画:王欣太、原作:李學仁)は、全36巻で発行部数1800万部を超えるヒット作です。 2009年にはTVアニメ化もされ、全26話が日本テレビ系で放送されました。
同作は「三国志」で欠かせない存在である、魏国を作った「曹操」の活躍を描いています。問題となる最終話「心の闇」では、曹操と袁紹が互いの命運を賭けて激突した「官渡の大戦」が描かれるのですが、最後にもかかわらず、戦いの場面が終盤まで続きます。
エンディングまで残り数分のところで、曹操は相手軍の指揮をとっていた文醜を斬首し、戦いに決着をつけました。そして、その後に因縁がある関羽と張飛が交戦する場面になったかと思いきや、すぐに「関羽を得た曹操は 官渡に戦場を移し 袁紹の大軍に挑む」と黒背景にテロップが流れ始めます。さらに、曹操による動向の説明がテロップで続き、最後に「破格の英雄 曹操は 蒼天を――駆け抜けていく」と締めくくって、エンディングを迎えるのでした。
視聴者からは「最終話の消化不良感は否めない」「面白かっただけに残念なラストで悔やまれる」と、今も語り継がれる作品になっています。