他の案なら2号は存在しない? もし「仮面ライダー1号バイク事故後」の選択が違ったら…
1971年から放送された『仮面ライダー』は記念すべき第1回の放送前に、主人公の本郷猛を演じる藤岡弘、さんは撮影中の事故で長期離脱を余儀なくされていました。毎日放送側から出された複数の策のなかには、本郷猛を別の俳優に交替する案も浮上していたのです。局側の策を振り返り、あったかもしれない『仮面ライダー』の未来を予想します。
事故当初は、放送局側は藤岡さんの怪我が重傷であるとは知らされていなかった
今でこそ仮面ライダー1号の本郷猛といえば藤岡弘、さんによる不動のポジションですが、バイク事故の長期離脱時に、2号ライダーの一文字隼人が登場して「変身ブーム」が起きたのは有名な話です。
しかし、事故発生した当初の放送局側が提案した対策案には、藤岡さんが降板し、ほかの誰かに本郷猛の代役を務める案がいくつも浮上していました。歴史にもしもはありませんが、当時の対策案から「仮面ライダー」シリーズの違った未来を予想してみましょう。
1971年4月3日『仮面ライダー』第1話が放送された時、主人公の本郷猛を演じていた藤岡弘、さんは病院のベッドの上でした。撮影中のバイク事故により重傷を負い、長期の入院を余儀なくされていたのです。
書籍『仮面ライダーSpirits 公式ファンクラブ 受け継がれる魂』の、毎日放送側のプロデューサー左近洋一さんの特別寄稿「私の『仮面ライダー』」によると、藤岡さんの事故が発生したのは放送開始直前だったといいます。毎日放送は善後策を以下のようにまとめました。
イ)9話と10話に代役をたてる。
ロ)ストーリー上姿を消し新しいアシスタントが主人公になる。
ハ)回復を待って、9・10話以降を撮影しなおす。
ニ)猛が整形したことにして代役にしてしまう。
すでに藤岡さんの事故前に第9、10話の撮影は終了していましたが、アフレコが残されており、9話から13話までの藤岡さんの声を納谷六朗さんが担当しています。ハ案の藤岡さんの回復を待って撮影しなおす案は、この時点では、まだ藤岡さんの怪我の状態が全治6か月以上になる重傷であると詳しく知らされていなかったようです。
もし「ニ」案が通っていたら、本郷猛は別の俳優さんに交替し、仮面ライダーは1号だけで完結していたかもしれません。
結果的には「ロ」案が採用され、第11話から2号ライダーが登場するまで、千葉治郎さん演じる滝和也が登場して、実質主役のように活躍しました。