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性的魅力は強み! 戦うばかりの男達がどうにも勝てそうにない鳥山明作品の「女性像」

超人バトルや緻密なメカ描写で知られている鳥山明先生ですが、実は女性の描き方にも特徴があります。鳥山ワールドで描かれている女性キャラクターと、彼女たちに対する男性キャラクターの態度について考えてみました。

言われてみれば「草食系男子」ばかりかも…?

なるほど、チチには勝てる気がしない。「S.H.Figuarts チチ-少女期-」(BANDAI SPIRITS) (C)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション
なるほど、チチには勝てる気がしない。「S.H.Figuarts チチ-少女期-」(BANDAI SPIRITS) (C)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション

 世界的に大ヒットした『ドラゴンボール』を筆頭に、鳥山明先生は多くのマンガ作品をのこしました。その作品には超人的なパワーを持つ男性主人公が数多く登場し、大冒険や熱いバトルを繰り広げています。一方、作品内の女性キャラクターは、どのような描かれ方をしているでしょうか。作品を横断的に俯瞰すると、女性キャラと、彼女たちに対する男性の態度についての傾向のようなものが見えてきました。

●物理的パワーに特化した男性主人公

 鳥山ワールドにおいて『ドラゴンボール』の「悟空」に代表される男性主人公の多くは、圧倒的な戦闘力の持ち主です。星をも砕く悟空を筆頭に、『騎竜少年』の「唐童(たんとん)」や『トンプーの大冒険』の「トンプー」、『貯金戦士キャッシュマン』の「ジオラ」、『SAND LAND』の「ベルゼブブ」(保安官の「ラオ」とダブル主人公)など、枚挙に暇がありません。これらの作品では超人が悪を倒すという王道のストーリーが展開されます。

 彼らには戦闘力以外にも以外な共通点があります。それは女性に興味を持つ年齢に達していないか、あるいは女性に対して全く興味がない(アセクシャル)か、ほとんど関心を持たないという点です。

 悟空にお色気は通用しませんし、ジオラは毛の生えた地球人が気持ち悪いとまで言っています。トンプーは子供のサイボーク(作中表記)なので色気を理解せず、ベルゼブブも子供の悪魔です。そもそも『SAND LAND』には女性がほとんど登場しません。

 鳥山ワールドの超人主人公たちの関心事は異性獲得ではなく、冒険や自己研鑽(修行)、次なる強敵との戦いに向けられています。彼らの冒険心や戦闘力が物語をドライブしていく原動力になっているのは間違いないでしょう。

【画像】こちらが「性的魅力パワー」にあふれる『ドラゴンボール』の美女&美少女キャラです(7枚)

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