いろんなアニメで重要キャラ! スーパースター「長嶋茂雄」さんはどんな役回り?
かつてプロ野球やプロレスを題材とし、虚構と現実が混在するマンガ、アニメ作品が多数作られた時代、現実でスーパースターだった長嶋茂雄さんは、様々なアニメで重要なキャラクターとして登場しました。ピックアップして振り返ります。
壁をも砕く「長嶋選手」のパンチ
プロ野球は2024年現在も人気コンテンツのひとつですが、かつて娯楽が少なかった時代には、現在よりもはるかに熱狂的なファンを抱える超人気コンテンツでした。なかでも「ミスタープロ野球」としてお茶の間の人気者だった長嶋茂雄氏は社会現象ともいえる存在で、さまざまなアニメで姿を見せています。
●『侍ジャイアンツ』
1973年にTVアニメ化された『侍ジャイアンツ』は、1971年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載開始された同題マンガ(原作:梶原一騎/作画:井上コオ)を原作とする作品で、長嶋さんが重要なキャラクターとして登場します。なお、アニメでは巨人軍がV9を達成した1973(昭和48)年が舞台となっていて、この年の巨人は7月まで低迷していましたが、8月以降は持ち直し、最終的に2位中日と0.5ゲーム差での優勝を果たしたため、作中でも前半戦の苦戦が描かれています。
さて、作中での長嶋さんの出番は多々あり、そのなかでも一番インパクトが強いと思われるのが、第13話「嵐の中のタイゲーム」にて主人公の「番場蛮」を殴り飛ばしたシーンでしょう。
この日の試合で蛮は「川上監督」に代わって指揮をとっており、「王選手」や「長嶋選手」をスタメンから外すという暴挙に出た挙句、敵チームが仕掛けた心理戦に引っかかってしまいます。自らマウンドに上がったものの、最終的には5対5で雨天引き分けとなり、試合後には記者たちに向かって、先輩たちが打たなかったから負けたと暴言を吐いたのです。
するとそこに「長嶋選手」が現れ、「川上監督」が蛮を勝たせるために全力を尽くせと言ったことを伝えました。しかし蛮は信じようとせず、口ごたえまでしようとしたため、ついに「長嶋選手」は鉄拳を振るうに至りました。その威力はすさまじく、蛮は回転しながら吹き飛ばされ、後ろの壁まで破壊されたほどです。このシーンは後期オープニングにも流用されたので、ご記憶の方も多いかと思います。
なお第42話「爆発!長島流喧嘩野球」では、酒に酔った南海ファンに蛮が絡まれそうになった際、「長嶋選手」が割り込んで助けているので、両者の関係は相応に良好な模様です。