『ウルトラセブン』アンヌ隊員の髪がコロコロ変わった理由 「意識したスター」がいた?
1967年『ウルトラセブン』に登場した「ウルトラ警備隊」の紅一点アンヌ隊員は、当初こそミドルヘアだったものの、その後、ベリーショートになったり、ロングヘアになったり、頻繁に髪の長さが変わりました。今回は「アンヌ隊員の髪型の秘密」について振り返ります。
アンヌ隊員は登場当初はミドルヘアを括ったり解いたりしていた?
1967年放送『ウルトラセブン』の「ウルトラ警備隊」の紅一点、ひし美ゆり子(当時、菱見百合子)さんが演じる「友里アンヌ」隊員は、エピソード毎に髪の毛が長くなったり、短くなったりしていました。今回は「アンヌ隊員の髪型の秘密」について振り返ります。
第1話から第7話までのアンヌ隊員は、首までかかるミドルヘアで登場し、ときどき後ろに髪の毛を束ねていました。第8話「狙われた街」からはバッサリとカットしてかなり短くなったものの、第10話「怪しい隣人」では再びミドルヘアに逆戻りしています。これは第10話が第8話よりも早く制作されており、髪の毛の長さがバラバラになっていたからです。
また、第15話の「ウルトラ警備隊西へ」では、ペダン星人を監視するために変装してロングヘアになっています。そして中盤からはすっかりショートヘアが定着したアンヌ隊員でしたが、第39話、第40話の「セブン暗殺計画」の前後編では、一段と髪の毛が短くなりました。
対談形式の書籍『ダンとアンヌとウルトラセブン ~森次晃嗣・ひし美ゆり子 2人が語る見どころガイド~』(小学館)によると、ひし美さんは『悲しみよこんにちは』(1958年)や『勝手にしやがれ』(1960年)で知られるアメリカの女優「ジーン・セバーグ」さんを意識して、「セシルカット」と呼ばれるベリーショートに挑戦したとのことです。しかし、セバーグさんとは似ても似つかなかったそうで、第41話からの「水中からの挑戦」では、ひし美さんはウィッグをつけてロングヘアになりました。
最終話までのアンヌ隊員の髪の長さを確認すると、ショートとロングが混在しています。ロングヘアだったのは第41話「水中からの挑戦」、第42話「ノンマルトの使者」第48話、第49話「史上最大の侵略前後編」のみで、いずれも満田かずほ監督演出のエピソードでした。
ちなみに、2014年に実施された「『ウルトラセブン』ブルーレイBOX発売記念ジャパンプレミア」に登場したひし美さんは、作中のウィッグについて「キングジョーの回では変装用に買ったウイッグ(かつら)が気に入られてその後も結構使っていました」と言及しています。
(LUIS FIELD)