「どうしたって人類全滅」「勝ったのに死亡」アニメ主人公・敗北エンドが物議を醸す
主人公は物語をけん引していく役割を担っており、物語の進行に欠かせない存在です。しかし、一部の作品では、予期せぬ展開として「主人公の死」が描かれることもあります。今回は、「主人公死亡」が物議を醸したアニメを振り返ります。
ファン絶句の「全滅エンド」
アニメの展開のなかで、主要キャラクターが死亡し、途中退場することは珍しくありません。しかし、物語の中心である主人公は「さすがに簡単には死なない」と思っている人もいるのではないでしょうか。今回は、「主人公死亡」展開が発生したアニメ作品を振り返ります。
※この記事では、物語の核心に触れる描写があります。「ネタバレ」が気になる方はご注意下さい。
●『宇宙戦士バルディオス』マリン・レイガン
1980年6月から1981年1月までテレビ東京で放送されたロボットアニメ『宇宙戦士バルディオス』は、主人公の「マリン・レイガン(CV:塩沢兼人)」を含む地球上の人びとが津波に飲まれて、絶望的な「全滅エンド」を迎えた作品です。
放射能汚染された「惑星S-1」を捨てて地球を侵略し始めた「ゼオ・ガットラー (CV:青野武)」の野望を阻止するため、マリンは合体ロボ「バルディオス」で仲間たちとともに戦いに挑んでいきます。
マリンが死亡したのは、最終回の31話「破滅への序曲」でした。ガットラー率いる亜空間戦隊「アルデバロン」は、地球人抹殺作戦を開始します。放射能によって住めなくなった惑星S-1の二の舞にならないよう、地球に人工太陽を当てて北極と南極の氷を溶かしました。これにより、全世界で大津波が発生したのです。
バルディオスには対抗するすべもなく、人や街が津波に飲み込まれ地球は水没してしまいます。そして、大洪水によって人類は滅亡し、TV版のストーリーは完結しました。
TV版はスポンサーの経営不振によって打ち切りになったことで、視聴者に「突然終わった」という印象を与えました。しかし、1981年12月に公開された劇場版で真の結末が明らかになります。TV版同様に大洪水が起こりますが、それだけではありません。50万メガトンの核兵器によって地球が汚染されてしまうのです。
劇場版では地球が過去のS-1星であることが明らかになり、何をしても主人公を含めた全人類が絶滅する結末を迎えてしまうことが描かれました。この「全滅エンド」には「結末が絶望的すぎる」との声があがっています。
●『カウボーイビバップ』スパイク・スピーゲル
1998年にテレビ東京で放送され、13話で終了ししたものの、翌年にかけて全26話をWOWOWで放送した『カウボーイビバップ』は、主人公の「死亡説」が濃厚とされています。しかし、アニメでは明確に死亡シーンが描かれていない作品です。
短時間で惑星間を移動できるようになった2071年の太陽系を舞台に、元マフィアの「スパイク・スピーゲル(CV:山寺宏一)」と元警官の「ジェット・ブラック(CV:石塚運昇)」が宇宙船「ビバップ号」で賞金稼ぎをしながら、日夜奮闘を繰り広げていきます。
スパイクが死亡されたといわれる最終回では、火星圏最大勢力のチャイニーズマフィア「レッドドラゴン」時代に相棒だった「ビシャス(CV:若本規夫)」とスパイクが戦います。一騎打ちのシーンではほぼ相打ちに終わりますが、勝利したのはスパイクでした。
しかし、重傷を負いスパイクが地面に倒れた後、星が消えるシーンが流れます。占い師「ラフィング・ブル(CV:小山武宏)」による「命消えるとき星が流れる」というお告げもあり、ファンの間では死亡説が濃厚とされています。