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「ガンダム」装甲素材に「ルナ・チタニウム」「ガンダリウム」とふたつ呼称があるワケ

『機動戦士ガンダム』で登場した装甲材質「ルナ・チタニウム」。しかし、後年の作品からは「ガンダリウム合金」と呼ばれるようになりました。それには意外な理由があったのです。

「ガンダリウム合金」は一年戦争時代には存在しなかった…?

その装甲は「ルナ・チタニウム」なのか「ガンダリウム合金」なのか。「HG 1/144 RX-78-2 ガンダム [BEYOND GLOBAL]」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
その装甲は「ルナ・チタニウム」なのか「ガンダリウム合金」なのか。「HG 1/144 RX-78-2 ガンダム [BEYOND GLOBAL]」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

『機動戦士Zガンダム』から登場した「ガンダリウム合金」。作中では「RX-78 ガンダム」に使用されていたといわれていましたが、『機動戦士ガンダム』では「ルナ・チタニウム」と設定されていました。はたしてどちらが正しいのでしょうか。

 ちなみにアニメ本編では、ルナ・チタニウムという単語は出ていません。設定上にあるだけでした。あくまでもアニメ本編での「ガンダム」の装甲は、普通のMS(モビルスーツ)に比べて桁外れであること示唆しているだけです。実際に「ザク・マシンガン」を弾くなどの描写で表現されていました。

 このルナ・チタニウムは「RX-75 ガンタンク」と「RX-77 ガンキャノン」にも使用され、主人公チームの打たれ強さを設定面でフォローしているといえるでしょう。こうした設定面でのリアルさが、『ガンダム』という作品の魅力のひとつとなっています。

 ところが続編となる『機動戦士Zガンダム』では、新たにガンダリウム合金という名称が出てきました。そして、このガンダリウム合金は上述のように、RX-78ガンダムに使われていたとされたのです。当時のファンには寝耳に水、筆者も困惑したことをおぼえています。

『機動戦士Zガンダム』で登場したガンダリウム合金は、初期の「ガンダリウムα」を改良した「ガンダリウムγ(ガンマ)」として登場しました。特に生産性と使いやすさを向上させています。もともとはジオン軍残党が逃げ込んだ小惑星「アクシズ」で開発され、「シャア・アズナブル(クワトロ・バジーナ)」の手によって「アナハイム・エレクトロニクス」にもたらされました。

 そして、このガンダリウムを使用して作られた初めてのMSが、「RMS-099(MSA-099) リック・ディアス」になります。それゆえに「エゥーゴ」の指導者「ブレックス・フォーラ」は、本機を「γガンダム」と名付けようとしました。

 これを外観的な問題から異を唱えたクワトロが、宇宙用の機体を意味する「リック」と、喜望峰の発見者「バーソロミュー・ディアス」の「ディアス」を合わせ、リック・ディアスと名付けます。このクワトロの提案がなければ、宇宙世紀における「ガンダム」の定義は大きく変わっていたかもしれません。

 この流れを見ていくと、ルナ・チタニウムとガンダリウムの関係にひとつの仮説が立てられます。それは、ふたつの合金は同じものでないか、という仮説です。MSに詳しい人なら当然のように答えを知ってると思いますが、実はその通り、ルナ・チタニウムとガンダリウムは、基本的に同じ合金といって差し支えありません。

 それでは、どうしてふたつの名前があるのでしょうか。この問いに関して、実は明確な答えがありました。

【画像】「えっ…ガンダリウム合金製?」こちらが重金属な1/144スケールのガンダムです(6枚)

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