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「ガンダム」装甲素材に「ルナ・チタニウム」「ガンダリウム」とふたつ呼称があるワケ

ガンダリウム合金の名前の由来とは?

「ガンダリウムγ」を使用した最初のMS。「HG 1/144 リック・ディアス(クワトロ・バジーナ機)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
「ガンダリウムγ」を使用した最初のMS。「HG 1/144 リック・ディアス(クワトロ・バジーナ機)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

『機動戦士Zガンダム』放送中、雑誌「アニメック」(ラポート)のインタビューで、編集者の「ルナ・チタニウムとガンダリウム合金は同じものと考えて良いか?」という質問に、富野由悠季総監督は肯定していました。おそらく製作陣としてはわかりやすい名称としてガンダリウムという単語を設定したのでしょう。

 これによりRX-78ガンダムに使用されたルナ・チタニウム=ガンダリウムαとなりました。一年戦争終結後、この合金をもとに「ガンダリウムβ」が開発され、さらなる改良を加えてガンダリウムγが開発されたというわけです。

 そのため、この名称変更にはいくつかの考察がなされています。放送当時に上記の雑誌編集者の考えでは、「一年戦争終結に多大な功績を残したガンダムの名を取って、使用された装甲材質をガンダリウムとした」とされていました。

 しかし近年では、まったく違う形で名称について語られたことがあります。実は小説およびアニメなどで展開された『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』に登場する「アルレット・アルマージュ」が、ガンダリウムの開発に携わっていました。

 このアルレットが「ガンダムを超える」という意味合いを込めて名付けたのがガンダリウム合金です。アルレットはシャア直属のエンジニアであり、後に「MSN-04 サザビー」開発にも関わっていました。後付けではありますが、そういった経緯からシャアはガンダリウムγを使った初めてのMSに、「ガンダム」の名を使うことを避けたとも考えられます。

 もっとも作品によって異なる設定が混在しているのが宇宙世紀というもの。この設定も絶対ではなく、こういったものもある、くらいのスタンスで良いのかもしれません。

 ひとつだけ確かなことは、「ルナ・チタニウムは後にガンダリウムと呼ばれるようになった合金である」という点だけです。つまりガンダムというMSの突出した能力がゆえに、使われていた装甲に名前が付けられたということでしょうか。

 ちなみに『機動武闘伝Gガンダム』の舞台となる「未来世紀」でも、同名のガンダリウム合金が使われています。『新機動戦記ガンダムW』の「アフターコロニー(A.C.)」では「ガンダニュウム合金」、『機動新世紀ガンダムX』の「アフターウォー(A.W.)」ではルナ・チタニウムが、それぞれの「ガンダム」の装甲に使われていました。

 やはり「敵の攻撃が効かないほどの堅牢な装甲」は、ロボットアニメの定番であるといえるかもしれません。そういった意味ではガンダムに使われている装甲が、ガンダリウム合金というのもわかりやすいのでしょう。

(加々美利治)

【画像】「えっ…ガンダリウム合金製?」こちらが重金属な1/144スケールのガンダムです(6枚)

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