【漫画】「貧弱そうなコンビニ店員」が万引き犯を返り討ち→実は「最強」でした!
立川のコンビニ店前。貧弱そうな丸メガネの店員が、万引き犯の不良集団を呼び止める。すると逆上した不良に殴りかかられて……? 「最強」を求める全ての格闘家・闘技者が辿(たど)り着くコンビニ店員ツヨシと、彼を取り巻く人物を描く異色バトルマンガ『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』より、作者:丸山恭右さんに本作の誕生秘話を聞きました。
異色バトルマンガはどう生まれた?
「あ…あの ポケットの中見せていただいてもよろしいでしょうか…?」
立川のコンビニ店前。貧弱そうな丸メガネの店員が、万引きしたと思われる不良集団を呼び止めます。すると、「舐めてんのか てめぇ」と不良は逆上し、しまいには胸ぐらをつかんで店員に殴りかかろうとします。「ぎゃああ!!」と響き渡る悲鳴。店員がやられた……と思いきや、倒れていたのはまさかの不良のほうで――!?
丸山恭右さんがスマートフォン・PC向けマンガサービス「サイコミ」にて連載中の『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』は、『川島・山内のマンガ沼』(読売テレビ)や『アメトーーク!』(テレビ朝日)でもオススメ作品として紹介された異色バトルマンガです。「最強」を求める全ての格闘家・闘技者が辿(たど)り着くコンビニ店員ツヨシと、彼を取り巻く人物を描きます。「貧弱そうな丸メガネの店員が実は最強だった」という第1話の強烈な導入で、多くの読者の心をつかみました。
本作は2024年5月に第1章が終了し、休載を経て6月から新章が連載開始されます。作者の丸山恭右さんに、本作誕生のきっかけや主人公「川端強」の描き方など制作秘話を訊きました。
――「立川のコンビニ店員がまさかの最強だった」という強烈な導入やキャラの魅力で、多くの読者から支持を集めています。本作品が誕生したきっかけは?
『イップ・マン 序章』という映画を観たのがきっかけでした。中国拳法の達人が強者たちをどんどん倒していく爽快な映画なのですが、それに憧れて、太極拳教室に通いました。太極拳は、中国を代表する武術流派のひとつです。
極めると、「気」というものを使い、筋力に関係なく、自分よりも図体の大きい人を吹き飛ばすことができるそうです。さらに、「内部破壊」といって、内臓にまでダメージを与える強烈な威力を持つパンチを撃つことができるらしいという夢のような武術でした。
そんなマンガのような設定に惹かれ、すぐにのめり込みました。しかし、半年経っても全く強くなれる気配がなく、それを当時の担当編集さんに話したところ、めちゃくちゃに笑われ、こう言われました。
「太極拳なんかで強くなれるわけ無いじゃんww」
呆然です。そして見せられたのが、総合格闘技の選手にボコボコにされる太極拳使いの人の動画。僕はとんでもないショックを受けました。自分のこの半年はなんだったのか。
でも、中国は日本の人口を遥かに凌ぐ大国です。たまたまその人が弱かっただけかもしれない。そう思い、本当に強い太極拳使いの人を探しましたが、なかなか見つけることができません。
そして、無敗を極めるプロの格闘家ですら、「実戦で『気』を使うには無理がある」と言っている始末。
マンガのような武術は、本当にフィクションの中だけだったようです(※真相はわかりません)。それがきっかけで、「逆に太極拳使いが世界最強で、コンビニ店員(メジャーだけど一番強くなさそうな職業)だったらめちゃくちゃ面白くないか?」という話になり、ツヨシというキャラクターが生まれました。
――今作を描くうえで気を付けた点や、お気に入りシーンなどはありますか?
『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』を描くうえで気をつけているのは、バカバカしいことをどれだけ真面目に描けるか、ということです。
主人公は太極拳使いで、世界最強で、コンビニ店員ですが、さらに金的で相手を倒しにいくという個性を持っています。人生をかけ、強さに全てを捧げてきた者たちが片っ端から金的で倒されていきます。そんな無惨なことはありません。
これをあえて超真面目に描くことで、謎の空気を醸し出すマンガになったような気がしています(笑)。
お気に入りのシーンは、星崎というキャラが山ごもり修行に行った先が、ただの豪華な別荘だった回です。過去一いいネームが描けたと思いました(笑)。