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【地上波初放送】映画『翔んで埼玉』 ギャグの裏に隠された、意外な「テーマ性」とは

『パタリロ!』などで知られる漫画家・魔夜峰央さんのカルト的作品『翔んで埼玉』は2019年に実写映画化され、映画関係者が驚くほどの予想外の大ヒットを記録しました。2020年2月8日、同作品が地上波で初放送されますが、映像に込められた数々のギャグには、意外なテーマ性も隠されているのです。

大ヒットを支えたのは「埼玉県人」

映画『翔んで埼玉』に出演した、二階堂ふみ(左)とGACKT(右) (C) 2019 映画「翔んで埼玉」製作委員会
映画『翔んで埼玉』に出演した、二階堂ふみ(左)とGACKT(右) (C) 2019 映画「翔んで埼玉」製作委員会

「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」

 徹底的に埼玉県人をディスったセリフの数々で話題を呼び、興収37.6億円の大ヒットを記録した『翔んで埼玉』(2019年)が、2020年2月8日(土)21:00からフジテレビ系で地上波初放映されます。完全ノーカット放映ということなので、原作者・魔夜峰央さんと魔夜さんファミリーが登場する冒頭のダンスシーンから、エンディングに流れる「埼玉県のうた」までしっかり楽しむことができそうです。

 魔夜峰央さんが1983年~84年に発表した同名マンガを実写映画化した『翔んで埼玉』は、「埼玉県民は通行手形がないと東京都に入ることが許されない」など、埼玉県民が理不尽なまでに迫害される、もうひとつの世界を描いたコメディドラマです。

 ややもすれば地域蔑視や出身地ヘイトだと騒がれかねない内容なのですが、埼玉県民の救世主となる「隠れ埼玉県人」の高校生・麻美麗に46歳になるGACKT、麗に恋心を寄せる美少年・百美に二階堂ふみ、とフィクション度の高い配役もあって、炎上することなく劇場公開されました。

 映画『翔んで埼玉』の見どころは、『のだめカンタービレ 最終章』(2009年、2010年)や『テルマエ・ロマエ』(2012年、2014年)も大ヒットさせた武内英樹監督が見せる、振り切ったバカバカしい演出の数々です。

 通行手形の撤廃を目指す麗が率いる「埼玉解放戦線」は、阿久津(伊勢谷友介)をリーダーとする「千葉解放戦線」と江戸川を挟んで対峙することになります。エキストラ500人、デコトラ20台、デコバイク20台を動員した大掛かりなモブシーンですが、ここで繰り広げられるのは何とカードバトル。どちらの県がより有名人を輩出したかを競い合うことになるのです。この邦画史上空前とも言えるおバカ対決は、映画『翔んで埼玉』を象徴するシーンとなっています。

 郷土愛を持つことができずにいる埼玉県人に向かって、麗が罵倒するシーンもインパクトがあります。「埼玉県人が何と呼ばれているか知っているか? ダサイタマ、クサイタマ、ウサンクサイタマ……」とエンドレスで愛ある麗の暴言が続きます。

 そんな映画『翔んで埼玉』の大ヒットを支えたのが埼玉県民です。埼玉県だけで10億円以上の興収を記録しています。埼玉県民はジョークを理解し、とても寛容力のある県民性のようです。しかし、『翔んで埼玉』の何が、埼玉県人をはじめとする現代日本人の心に引っ掛かったのでしょうか?

【画像】「ひどい! ひどすぎる!」埼玉ディス漫画の、止まらない快進撃(7枚)

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