「もはや本人だろ」「ひと言で期待値爆上がり」違和感がまるでない奇跡の声優交代劇
アニメのキャラクターと担当声優は一心同体。途中で担当声優が代わると、多少なりとも違和感が生まれるものです。しかし声優交代したアニメのなかには、まるで違和感が生まれず、視聴者を驚かせた例もありました。
「あれっ、ホントに代わった?」
アニメの声優は基本的に何年経っても同じキャラクターを演じ続けるものですが、ときにやむを得ない事情で担当声優が変わることがあります。最近でいえば、アニメ『ちびまる子ちゃん』で34年にわたって「まる子(さくら ももこ)」を演じてきたTARAKOさんが亡くなり、新たに菊池こころさんが抜擢されました。
慣れ親しんだ声が変わると違和感が生まれるものの、まる子への愛情を感じさせる菊池さんの演技はとても自然で、ファンからも温かく受け止められています。そこで今回は、同じように「声優交代がファンに受け入れられたアニメ」の数々を振り返ってみましょう。
まず代表的なのは、『機動戦士ガンダム』を筆頭とした宇宙世紀シリーズにおける「ブライト・ノア」の声優交代です。ブライトの声を20年以上も演じた鈴置洋孝さんは、2006年に56歳という若さで亡くなっています。没後しばらくは生前に録音された音源が使用されていましたが、ブライトが登場する新たな物語『機動戦士ガンダムUC』が制作されるにあたって『犬夜叉』の「殺生丸」などで知られる成田剣さんに白羽の矢が立ちました。
鈴置さんと比べて声質こそ若干異なるものの、成田さんの声も往年のガンダムファンからも受け入れられています。なかには「初代と声優が違うことにまったく気付かなかった」という声もあがっていました。
ちなみに成田さんが後任に選ばれたきっかけは、何を隠そう殺生丸です。『機動戦士ガンダムUC』を手掛けた小形尚弘プロデューサーはアニメ『犬夜叉』も担当しており、語尾のニュアンスがブライトを感じさせたことから抜擢に至ったといいます。
「違和感がない」という意味では、ディズニー映画『アナと雪の女王』の「オラフ」も負けてはいません。初代オラフの日本語吹き替えを担当していたピエール瀧さんは、2019年に不祥事を起こして降板となり、その後任として声優の武内駿輔さんが選ばれました。
武内さんは『アイドルマスター シンデレラガールズ』のプロデューサー役や「KING OF PRISM」シリーズの「大和アレクサンダー」などで知られている声優で、若手とは思えない渋めのバリトンボイスが特徴的です。見事な演技力によって、違和感のない二代目オラフを生み出しました。
ネット上のファンからも「そのまんま過ぎてすごい」「聴けば聴くほど違和感がなくなる」「もはやオラフ本人だろ」といった声が相次いでおり、いまなお語り草となっています。