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ザクをフル活用せよ! ジオン側の貴重な戦力は戦中戦後を通しどう使われたのか?

『機動戦士ガンダム』に登場した「ザク」は、一年戦争が進むにつれ性能不足が明らかとなります。それでも戦中戦後を通し、ジオンサイドにとっては貴重な戦力であるこの機体を使いこなそうとした取り組みについて見ていきましょう。

最後のあだ花を咲かせた「旧ザク」!

「かっけぇザク」を見せてくれました。「HG 1/144 ザクI・スナイパータイプ(ヨンム・カークス機)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
「かっけぇザク」を見せてくれました。「HG 1/144 ザクI・スナイパータイプ(ヨンム・カークス機)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

『機動戦士ガンダム』に登場したザクは、史上初のモビルスーツ(MS)として一年戦争序盤で大きな成功を収めますが、地球連邦軍の巻き返しにより徐々に性能不足が明らかとなって行きます。しかし物資に乏しいジオン公国および、戦後のその勢力にとっては貴重な戦力であり、これをなんとか使いこなそうと、さまざまな取り組みが行われました。

●ザクI・スナイパーカスタム

『機動戦士ガンダムUC』に登場した「ザクI・スナイパータイプ」は、ザクの改装型でもっとも戦果を挙げた機体候補に数えられるほどの奮闘を見せました。

 改造元となった「ザクI」は、当初からジェネレーター出力の低さと、動力パイプを内蔵式にしたための排熱問題を抱えており、運動性も低い機体とされてきました。地球連邦軍もジオン軍も次々と新型モビルスーツを投入する戦況で、劣勢となったジオン軍が残されたザクIを有効活用するために開発したのがザクI・スナイパータイプであり、運動性が低い機体を戦力化する最適解といえる存在でしょう。

 専用のジェネレーターと冷却装置を搭載した大型のバックパックを装備し、長射程の「ビーム・スナイパー・ライフル」の運用を可能とした機体で、頭部は狙撃の精度を高めるために「ザク強行偵察型」のカメラアイを使用しています。右膝には特殊なギアが装備されており、機体の安定性を高めるためにひと役買っていますが、運動性は劣悪で、部隊後方からの狙撃を主任務とした機体となりました。

 映像作品への登場としては、OVA『機動戦士ガンダムUC』episode 4にて獅子奮迅の働きぶりを見せ、世代的にはるか格上のMS「ネモIII」の撃破にすら成功しています。旧式兵器でも運用次第では戦えることを示した偉大な機体といえるでしょう。

●ザクタンク

「ザクタンク」は、破壊されたザクの上半身と「マゼラ・アタック」の「マゼラベース」側を組み合わせたリサイクル兵器です。元々は『コミックボンボン』(講談社)の企画記事から生み出された機体で、後に「MSV」に組み込まれて正式な機体となりました。

 おもに「ザクII」の上半身が使われたなか、『機動戦士ガンダム第08小隊』に登場した機体にはザクIが使用されており、両腕が油圧アームに改装されるなど重機としての性格が強い機体となっていました。現地改修のためその場で使用できる機材を組み込んでおり、バリエーション豊かな機体でもあります。

武装としてはマゼラベース側の3連装機銃がメインとなりますが、戦闘に投入された機体の中にはミサイルポッドや180mmキャノン砲など重武装を施されたものも存在しています。機体ごとに性能や役割が異なるのもザクタンクの興味深いポイントです。

 映像作品への初登場は『機動戦士Zガンダム』の12話となりますが、新世代の機体を相手に見せ場を作る機会は訪れませんでした。

【画像】なるほど建機だ こちら地上の密林で運用されたという「ザクタンク」です(11枚)

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