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『DQ4』発売から30年、ファミコン時代の終わりと共に シリーズに新たな方向性

敵味方共に魅力あふれるキャラクターたち

個性豊かなキャラクターたち(画像はスマートフォン用移植版 スクウェア・エニックス)
個性豊かなキャラクターたち(画像はスマートフォン用移植版 スクウェア・エニックス)

『ドラクエIV』最大の特徴と言えるのが、魅力あふれるキャラクターたちです。

 最初に気になったのは占い師のミネアと踊り子のマーニャ。褐色肌のお色気お姉さん姉妹と一緒に冒険の旅に出るというのは、思春期の少年にとってかなり刺激が強く、想像力羽ばたくシチュエーションでした。次に、天才武闘家にしてサントハイム王国の姫であるアリーナ。かわいく強くおてんばで、お城から抜け出すために壁をぶち壊すパワー型のキャラクターは、従来のお姫様のイメージを根底からひっくり返すほどのインパクトがありました。

 商人のトルネコは、正直どのようにストーリーに食い込んでくるのか見当もつきませんでしたが、金を稼ぎ、トンネル工事の資金を出してルートを開拓させ、船を購入するなど、お金が社会に対して持つ力をはっきりと示してくれました。こういった要素は今までの『ドラクエ』をはじめとするRPGではしばしば神の奇跡や他人の好意、あるいは偶然によってどうにかしていたことが多い部分でした。『ドラクエIV』で商人トルネコというキャラクターが人により生み出されたお金の力で難局を突破できたのは、『ドラクエ』のなかに社会が持ち込まれたことを示していたのではないかと、今改めて感じています。トルネコは後に「ドラクエ」シリーズ初のスピンオフ作品である『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』の主人公となり、多くのプレイヤーの時間を奪ったことでも強い印象を残しています。

 また、モンスターや魔族がキャラクターとして強い印象を残したのも、『ドラクエIV』の特徴です。
 
 1章に登場するホイミスライムの「ホイミン」は人間になりたい夢を叶えるために騎士のライアンと共に冒険の旅に出ます。ただ倒すだけの存在だったモンスターにも意思があったのです。モンスターを仲間にするシチュエーションはその後のシリーズにも引き継がれ、モンスターを仲間にして戦わせるのがメインとなった『ドラゴンクエストモンスターズ』も発売されました。

 ピサロとロザリーの悲劇も、魔族側にスポットを当てたストーリーとして強く印象が残っています。人類に敵対するには、敵対するだけの理由がある。当たり前の話ですが、その当たり前をはっきりと形にしてくれたのです。

 そしてこれら魅力的なキャラクターが『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』をはじめとする公式の二次創作作品で花開きます。個性豊かな作家たちが作り上げた無数の作品群は人気となり、柴田亜美氏や衛藤ヒロユキ氏のように、後に人気漫画家となる人物が花開く土壌となりました。

 印象深いキャラクターやストーリーを世に送り出した『ドラクエIV』でしたが、後継ハードであるスーパーファミコンの発売が迫っていたこともあり、ファミコン最後の『ドラゴンクエスト』となってしまいます。無邪気にゲームを楽しめていたファミコンの時代に終わりを告げた『ドラクエIV』を思い出すたびに、筆者は子供時代を思い出し、つい悲しくなるのです。

(ライター 早川清一朗)

【画像】『ドラクエIV』は「月刊少年ガンガン」人気漫画の土壌にもなった(5枚)

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