「声に違和感」「作画が良くなった」 再アニメ化作品に集まった賛否の声
アニメ作品のリメイクや再アニメ化作品などは、旧作ファンから厳しい目で見られることもあり、意見もさまざまです。そのような、再アニメ化された人気作品を振り返りましょう。
人気作品の再アニメ化で相次いだ賛否の声

過去に人気を博した作品の再アニメ化作品として今季は、例えば2008年にアニメ化された『狼と香辛料』が絶賛放送中です。こういった再アニメ化作品は、新旧で比べられることが多く、視聴者のなかでさまざまな声が飛び交うものです。
●『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』
1994年から1999年まで「週刊少年ジャンプ」にて連載された『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』(著:和月伸宏)は、1996年にアニメ1作目が放送されました。本作は明治時代を舞台に、幕末に「人斬り抜刀斎」と呼ばれた主人公「緋村剣心」が、流浪人として「殺さずの誓い」を守りつつ大事な人々を守るために戦う物語です。
1作目のアニメは、原作が連載中ということもあり、オリジナルストーリーが多く盛り込まれました。「東京編」「京都編」「人誅編」のうち、「東京編」のエピソードの多くがいわゆるアニオリです。
2023年に再アニメ化された2作目は、キャラクターデザインやシナリオを原作者の和月先生が完全監修しており、「京都編」に突入する前までが描かれました。さまざまな面を再構築した本作は、1話冒頭から京都を警護する新撰組の三番隊組長で、剣心の宿敵ともいえる人物「斎藤一」が登場するなど、各所で旧作との違いが見られます。
ただ旧作を知る視聴者からは「声優さんがキャラのイメージと合っていなくて違和感がある」「旧作のダークな雰囲気が消えて、逆に緊迫感や緊張感がない」と、一部批判的な声もありました。しかし、原作を忠実に再現しながら、旧作ほどではないもののアニオリも含む2作目には「原作の気になる点を解消したりするなど丁寧に描かれていた」「作画が旧作に比べて綺麗でかなり現代風なデザインに仕上がっていた」といった好評の声もあがっています。
第2期『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 京都動乱』は2024年10月に連続2クールの放送を予定しており、新しく描かれる宿敵「志々雄真実」一派との戦いから目が離せません。
●『フルーツバスケット』
少女マンガ誌「花とゆめ」(白泉社)にて1998年から2006年まで連載されていた『フルーツバスケット』(著:高屋奈月)は、2001年にTVアニメ化され大ヒット作品となりました。
物語は母親を亡くし、山でテント生活をしている女子高生「本田透」が、偶然、仲良くなった同じ高校の有名人「草摩(そうま)由希」や、彼を敵視する「草摩夾(きょう)」が住む草摩家に居候するところからはじまります。実は、草摩家には代々受け継がれる「干支」に関する呪いがあり、透も次第にその秘密について知っていくのでした。
『フルーツバスケット』は高屋先生監修のもと、2019年に再アニメ化され2021年に幕を閉じています。2001年のアニメ1作目の最終回は放送当時、原作が完結しておらず、全編アニメオリジナルでした。それに対し、2作目は原作の展開を忠実に再現し、最終回も原作通りの終わりを迎えています。
また、本作も再アニメ化に際して声優陣を一新し、絵柄の雰囲気は原作と少し異なっており、登場人物の端正な顔立ちがより目立つようになっていました。
ファンからは「子供の時はイライラしたシーンが多かったけど、大人になって観ると泣けるシーンがたくさんあって本当に深い作品」「旧作も好きだが、アニオリが少ない分原作通りに描かれた新作を推したい」といった声があり、時が経って作品の見え方も変わったという人もいたようです。