人違いで監禁、主人公も死ぬ…… 5月の憂鬱を吹き飛ばす衝撃の鬱アニメ3選
やる気がめっきり起きない。そんな5月の憂鬱さを解消するために、あえて「鬱々しい」アニメでデトックスしてみませんか?
究極のメリーバッドエンド、あなたはどう解釈する?

5月後半から7月中旬まで祝日がない日が続きます。寒暖差の激しい気温とあいまって、憂鬱に感じている人もいるのではないでしょうか。悲しいときに思いっきり泣いて、心のデトックスを試してみませんか?
※心身に不調が見られる場合には視聴を避け、早めにカウンセリングなどを受けましょう。
●最終的に誰も報われない『今、そこにいる僕』
1999年よりWOWOWで放送された『今、そこにいる僕』は、『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!! マサルさん』『ギャグマンガ日和』『僕とロボコ』などのギャグアニメで知られる大地丙太郎監督がメガホンを取ったオリジナルアニメです。とはいえ同作はコミカルな内容ではなく、戦争が起こすリアルな惨劇を描いた少年冒険SFでした。
主人公「シュウ」は、「ララ・ルゥ」という少女との出逢いをきっかけに、数十億年後の未来に飛ばされます。そこではララ・ルゥを巡る激しい戦争が起きていました。彼女と関わったことで、シュウは拷問、少年兵としての出征など、激しい戦いの渦に巻き込まれていく……というのが大まかなあらすじです。
はじめこそ『天空の城ラピュタ』を彷彿とさせるボーイミーツガールが展開されていくのですが、第3話あたりから物語の鬱々しさが加速していきます。特に未成年の少女である「サラ」が辿る運命は、作中随一といっていいほど救いがありません。サラは、ララ・ルゥに似ているというだけで牢獄に監禁され、人違いと判明した後も兵士たちの慰みものとして拘束され続けました。
そのサラを含め、主人公に関わる人物は誰ひとり幸せにならず、報われないラストを迎えることになります。そのため多くの人のトラウマとなっているようで、ネット上には「いままで見たなかで1番キツかった記憶がある」「良い意味でもう観たくない」「軽々しくオススメできない唯一の作品」といった感想が飛び交っていました。
●あまりにも壮絶で悲しく、そして美しい『最終兵器彼女』
高橋しん先生の同題コミックスを原作とする『最終兵器彼女』は、自衛隊によって人間兵器に改造された女子高生「ちせ」と、普通の男子高校生である「シュウジ」が紡ぐSFラブストーリーです。
体から羽根と巨大な武器を生やし、とてつもない破壊力を持つ「ちせ」は、世界規模の大戦争のなか、地球のあちこちで兵器として「運用」されます。そして戦えば戦うほど身も心も蝕まれ、人の心を失っていくのでした。「シュウジ」はただただ見守ることしかできませんが、それでも彼女と正面から向き合い、支えようとします。
そのようなふたりが辿った結末は、あまりに壮絶で悲しく、決して手放しには喜べないエンディングでした。しかし見方によってはハッピーエンドと捉える視聴者も少なくなく、ネット上では「本人たちが幸せならハッピーエンドだろ」「世界規模でいえば確実にバッドエンド」「メリーバッドエンドの極み」などといまだに意見が分かれています。
●相棒、ヒロイン、主人公すら死んでしまう『GANTZ』
デスゲームブームの火つけ役ともいえる『GANTZ』もまた、容赦ない展開のオンパレードでした。タイトルにもなっている「ガンツ」は、蘇らせた死者に、強制的に戦いの任務を与える謎の球体です。主人公である「玄野計(くろのけい)」は、電車事故をきっかけにガンツに選出され、謎の異星人との死闘に身を投じていくことになります。
敵対する異星人はどれも絶望的な強さで、生身のままではまず歯が立ちません。対星人用の装備に身を包み、さまざまな異星人と戦うものの、犠牲のない勝利はほぼありませんでした。玄野の相棒や、ヒロインのような立ち位置であったキャラでさえも容赦なく死亡し、そして仲間を失う悲しみを背負った玄野もまた戦いの犠牲となりました。
死亡シーンの悲惨さもさることながら、「ガンツ」の選出者のなかには自ら命を絶った者も少なくありません。そのため、それぞれの境遇もつらいものばかりで、ネット上には「GANTZの鬱展開に耐えられない」といった声もあがっています。
鬱々とした気分のときに明るいアニメを観ても、どこか空々しく感じてしまうものです。悲しみを突き詰めた先のデトックスこそが、5月を乗り越える本当の手段……なのかもしれません。
(ハララ書房)