「原作に忠実な過激シーン」「深夜で地上波ギリ」 衝撃のマンガ実写化ドラマ
ゴア描写や性描写を含むマンガの実写化は、原作ファンから「どこまで再現できるのか」と心配されることも多いでしょう。過激な描写のあるマンガを実写ドラマ化した作品を振り返ります。
エロシーンも心理描写もぬかりなく再現
マンガのなかにはいわゆる「エロ、グロシーン」を含む作品もあり、それが見どころのひとつになっていることもあります。そういった作品を「実写化」するとなると、その過激な内容をどこまで再現するのか心配されることもあります。心配されたものの、過激なマンガの実写ドラマ化に成功した作品を振り返りましょう。
●『クズの本懐』(原作:横槍メンゴ)
高校生の複雑な恋愛関係を描いたマンガ『クズの本懐』は、叶わぬ恋に苦しむ男女の心の闇や直接的な性描写の多さで話題となった作品です。その過激さから、2017年のドラマ化にあたりネット上などでは「地上波でどこまで描かれるんだろう」「規制されてもおかしくない」という声があがっていました。
ドラマでは、お互いを好きな人に見立てて交際する「安楽岡花火」(やすらおか はなび)と「粟屋麦」(あわや むぎ)のカップルを、吉本実憂さんと桜田通さんがW主演で演じています。1話からふたりの熱烈なキスシーンや、体育館倉庫で性行為に及ぶという生々しいシーンも再現され、「脱ぎっぷりがすごくて驚いた」「思った以上にエロい」など、多くの視聴者が衝撃を受けたようです。
数々の濡れ場があるだけでなく、それぞれの登場人物が抱える複雑な恋心が、キャストの巧みな表情の変化で描かれているのも、本作品の魅力です。キャストの熱演で、「エロだけじゃなくて人間の繊細さもうまく出ていた」「見ていて思わず感情移入して切なくなった」など、ストーリー面でも高く評価される作品となりました。
●『マイホームヒーロー』(原作:山川直輝、朝基まさし)
娘のために殺人を犯した会社員「鳥栖哲雄」が、半グレ組織に追われながら奮闘する様を描いたマンガ『マイホームヒーロー』は、家族を守る愛の物語でありつつ、ハードな暴力シーンを含む作品です。2023年に佐々木蔵之介さんが主演で放送されたドラマ版では、原作で注目された残虐描写や拷問シーンもしっかり再現されています。
特に哲雄の妻「歌仙」を演じる木村多江さんが、半グレ組織のメンバーから顔にラップを巻かれ窒息させられそうになる拷問のシーンは、原作を忠実に再現していることで注目を浴びました。ネット上では「このシーン実写化したの驚き」「悲痛で見ていられなかった」などの反応があり、強烈なインパクトを残しています。
また、家族を守るため修羅場を切り抜けていく哲雄は、家族にとってはヒーローでも、人を殺したれっきとした犯罪者です。ギャップのある主人公を演じる佐々木さんは、血みどろのシーンが多いなかで、コミカルさも交えてエンタメ性の高い作品になるようにしたそうで、ネット上では「緊張感のなかにコメディ要素もあって新鮮」「キャストがハマりすぎてそれぞれのキャラが魅力的だった」との評が見られます。