「エンドロールで衝撃」「別種の怖さ」 イケメンたちが再現した衝撃の実写版悪役
マンガ原作の作品を実写化すると、否定的な声が出ることもありますが、演技力やキャラの再現度の高さで原作ファンが納得する作品もありました。今回は、イケメン俳優が再現した、衝撃の悪役キャラを振り返りましょう。
圧巻の演技力で全部もっていかれた
マンガ原作の実写化作品は、「キャラの再現度」が重要です。主人公に目が行きがちですが、物語を盛り上げる「悪役」の再現度も欠かせません。今回は、徹底した役作りで、悪役キャラを再現したイケメン俳優たちを振り返ります。
●『るろうに剣心』吉川晃司
実写映画『るろうに剣心』は2012年に公開された第1作目で、キャラの再現度や圧巻のアクションシーンが注目され、公開からわずか2日で観客動員数40万人を突破した大ヒット作品です。そこから2021年の最終章まで全5作が制作され、シリーズ累計観客動員数は1000万人を突破しています。
そんな「るろうに剣心」シリーズの第1作目で、佐藤健さんが演じる主人公「緋村剣心」の宿敵である「鵜堂刃衛」は吉川晃司さんが演じました。刃衛は、要人を対象に暗殺活動をしている人斬りで、卓越した剣の腕を持つだけでなく相手を窒息死するほどの金縛りにかける催眠術「心の一方」という技も使います。
不気味な笑い方は控えめになり、ビジュアルも原作とは変わった実写版の刃衛は、1作目の最後の戦いを飾るラスボスとして立ちはだかりました。YouTubeチャンネル「るろうに剣心映画」の「『るろうに剣心』キャストインタビュー 吉川晃司」で、吉川さんは刃衛の心情を演技だけで伝えるために、体の動かし方や眉の動かし方などに注意して取組んでいたことを語っています。
アクションシーンでは刀を背中で持ち替えて予想外の方向から斬る「背車刀」も見事再現し、多くの観客を魅了しました。ファンからも「吉川さんが演じると刃衛になりきりすぎていて実在したのかと思ってしまった」「吉川さんが登場した瞬間息を飲むくらい緊張感が漂う」「実写版の刃衛はかっこよすぎるけど、ラスボスだからこれがベスト」と絶賛されています。
●『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』間宮祥太朗
実写版「闇金ウシジマくん」シリーズの最終章を飾る2016年公開の映画『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』では、山田孝之さん演じる主人公「丑嶋馨」と因縁のライバルである、鰐戸三兄弟の三男「三蔵」を間宮祥太朗さんが演じました。
三蔵の見た目はスキンヘッドに眉なし、マスクをした姿で、間宮さんはこの姿になるために2時間かけて特殊メイクをしていたそうです。『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』のキャスト発表の会見では、「こんなに間宮祥太朗だと分からない役が来ると思わなかったので、すごくビックリした」と、心境を語っています。
撮影現場では他のキャストが来る前にメイクを始め、撮影後はメイク担当のふたりと間宮さんの3人のみでメイクを落として終了だったそうです。そういった苦労で再現された三蔵は、間宮さんの発言通り、観た人から「エンドロール見なきゃ分かんない」「後から友達に教えられて衝撃を受けた」など、最後まで気が付かなかったという声が続出しました。
壁にナイフを打ち付ける、釘の付いたゴルフクラブを人間にフルスイングするなどの衝撃シーンだけでなく、目力の強さで「この人ヤバいかも……」と思わせる間宮さんの演技力には、観ているだけでゾクゾクしてきます。
●『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』山田孝之
2017年に公開された『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』で、日本犯罪史上最低の連続殺人鬼「アンジェロ」こと「片桐安十郎」を演じた山田孝之さんは、原作とはビジュアルが違いますが、ファンからは「誰よりも役柄になりきっている」などと評価されました。
特殊メイクによってくすんだ肌色や肌荒れ、腫れた唇を作っただけでなく、山田さんは原作のアンジェロに近づけるために、眉をなくしグレーの髪色に染め上げ、オールバックにして撮影に臨んでいました。
2016年11月のマスコミにも公開された撮影現場にて、日常生活でも「いろいろな殺し方をずっと考えていた」と語るほど役柄にのめり込んでいることを明かした山田さんは、原作よりも陰鬱として冷徹なキャラになったアンジェロを怪演します。
公開前には主演級の役柄が多い山田さんのアンジェロ役に「イケメン過ぎるのでは」「もっと重要な役やればいいのに」などの声があがっていましたが、いざ映画を観ると山田さんの演技力の高さに圧倒された人の「山田孝之さんに全部もっていかれた」「アンジェロは山田孝之にしか無理だ」「前半のインパクトある敵として素晴らしい」といった、絶賛の声が相次ぎました。
(LUIS FIELD)