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声優・本多知恵子さんの旅立ちから7年 『赤い光弾ジリオン』で聴いた本物の「声」

2013年2月18日に声優の本多知恵子さんが亡くなってから、7年が経ちました。『重戦機エルガイム』のファンネリア・アムや『機動戦士ガンダムZZ』のエルピー・プルとプルツー、『キテレツ大百科』の野々花みよ子、『赤い光弾ジリオン』のエイミなど、多数の魅力的なキャラクターを演じてきた本多さんの足跡を振り返ります。

『赤い光弾ジリオン』でキャラクターに命を吹き込む力を感じた

U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 『機動戦士ガンダムZZ』 I(バンダイナムコアーツ)
U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 『機動戦士ガンダムZZ』 I(バンダイナムコアーツ)

 2013年2月18日に声優の本多知恵子(ほんだ・ちえこ)さんが亡くなってから、7年が経ちました。『重戦機エルガイム』のファンネリア・アムや『機動戦士ガンダムZZ』のエルピー・プルとプルツー、『キテレツ大百科』の野々花みよ子、『赤い光弾ジリオン』のエイミなど、多数の魅力的なキャラクターを演じてきた本多さんの足跡を、ライターの早川清一朗さんが自身の思い出と共に振り返ります。

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 筆者が初めて声優・本多知恵子さんの存在を意識したのは、アニメ『赤い光弾ジリオン』のエイミというキャラクターでした。主人公チーム「ホワイト・ナッツ」の長官であるMr.ゴードの秘書官で、主人公のJJたちより少し年下のため、まるで妹のように扱われています。コーヒーを淹れると、なぜか泥のようにまずくなってしまう妙な癖もありました。

 オペレーター役を務めるなど「ホワイト・ナッツ」との絆は強く、主人公のJJが戦闘中に行方不明になったときは心配のあまり泣き出してしまったことも。普通のアニメで言えば脇役でしかないキャラクターでしたが、20話はエイミが主役となるなど出番は多く、準主役級の存在感を持っていました。

 そんなエイミは最終回のひとつ前の30話で、決戦に向かう「ホワイト・ナッツ」を援護するためにMr.ゴードと共に出撃します。銃撃を浴びて悲鳴を上げたエイミは、「もういや!」と叫び銃座に付き、強敵、ノーザウォリアーズの紅一点であるソラールに対してこう叫びながら攻撃を仕掛けたのです。
 
「あたしにはまだ春だって来てないんですからね! 恋だってしたいしおいしいものだってもっともっと食べたいんだから! あんたちなんかに! あんたたちなんかに! あたしの夢壊させはしないんだから! 絶対に!」

 この叫びは、筆者の耳には本物の、戦争に参加せざるを得なかった女の子の悲痛な声に聞こえたのです。声優が持つ、キャラクターに命を吹き込む力を強烈に感じた瞬間でした。

 思えば『赤い光弾ジリオン』ではアップルを演じた水谷優子さんも2016年に亡くなっています。ヒロインふたりを失ってしまったのは、ただただ寂しい限りです。

【画像】本多知恵子さんが命を吹き込んだキャラクターたち

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