【漫画】跡継ぎのため母「人工授精は?」 凄絶な体験も、夜逃げして友人と笑顔に!
イラストレーターの尾添さんは、幼い頃から親に「墓と苗字と血を守っていくことが使命」と言い聞かされてきました。婦人科系の疾患で子供ができにくい体質であった尾添さんに対し、母親は「人工授精はどうなの?」と笑顔で口にしたのです。それをきっかけに、尾添さんは夜逃げ!
夜逃げして、大切なものを見つける

イラストレーターの尾添さん(@ozoekkk)は、幼い頃から親に「墓と苗字と血を守っていくことが使命」と言い聞かされてきました。進学も就職も親に拒まれ、不自由な生活。
さらに、婦人科系の疾患で子供ができにくい体質であった尾添さんに対し、母親は「人工授精はどうなの?」と笑顔で口にしたのです。
それをきっかけに、尾添さんは夜逃げ! 友人宅にかくまってもらい、そこからは笑顔で過ごせる日々を送れるようになりました。
「大切なのは心のつながり」
尾添さんは自身の体験をマンガに描き、Twitterに公開。多くの読者から共感を得ています。作品について、尾添さんにお話を聞きました。
ーー『跡継ぎのために無理矢理子供産まされそうになったので夜逃げした話』をTwitterで公開しようと思ったきっかけはありましたか?
似たような境遇の友人と話していて「マンガにしちゃいなよ!」とひと言あって。ネームを切って、この短さならTwitterにあげてしまっていいかなと。以前にも実録1ページマンガを描いていたので、その延長線上です。
マンガにしようと思ったことは何度かありましたが、共感されにくいかなと踏みとどまっていました。私と同じような跡取り問題で揉めた友人から「マンガにしなよ」と背中を押してもらったのがきっかけです。
ーー尾添さんは友人を頼って家を出ましたが、「親の言うことが正しい」という幼い頃からの思い込みで従ってしまう人もいるかもしれません。家を出ようと思えた理由はなんでしょうか?
家を出たのは自分の意思です。もともと軽い婦人科系疾患があって、ずっと投薬治療をしていました。それなのに「人工授精はどうなの?」と笑顔で言ってきた母を見て「駄目だコレ」と逃げました。
ショックな出来事だったので、誰かに理解してもらいたい、と思い、これもまた母子関係で揉めた過去のある、似た境遇を送ってきた親しい友人の元へ向かいました。
経緯を打ち明けて「しばらく家にいていいよ」とかくまってくれた友人夫婦と、新居が見つかるまでの3週間ほどの間暮らした時、「赤の他人なのにどうして優しくしてくれるんだろう」と思いました。

その間に他の友人から連絡があったり助けてもらったり、色んなことがありました。
そこで行きついた答えが「心のつながりがないと、人は一緒に生きていけないんだ」と。心のつながりから血のつながりが産まれるので、心をすっ飛ばしてたら絶対良くない。家を出てから婦人科系疾患は見事に治まってます。ストレスのない環境は大事ですね。
ーー作品に対し、たくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。
「血のつながりが家族の全てではない」という、当たり前でシンプルな感想が印象に残ります。家族をテーマにしたマンガを描いたことがあるんですけど、そこにも同じようなことを描いてます。当たり前すぎて忘れそうになることですね。
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
マンガを描くこともイラストを描くことも好きなので、とにかく描いていきたいです。Twitterではエッセイマンガ多めの予定です。
●尾添さんTwitter
https://twitter.com/ozoekkk
●尾添さんInstagram
https://www.instagram.com/ozoek12/
(マグミクス編集部)