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『機動戦士ガンダム』令和なら不適切? 「昭和」ならではのシーンや人物描写

TVアニメ『機動戦士ガンダム』には数々の名場面が登場しますが、令和のいまでは「不適切」と捉えられる描写も少なくありません。昭和だからこそ描けた場面や当時の価値観が反映された人間模様を見ていきましょう。

殴られてナンボの世界?

ブライト(右)に殴られるアムロ、ファースト屈指の有名シーン。『閃光のハサウェイ』場面写真配布キャンペーン「ノア家のアルバム」より (C)創通・サンライズ
ブライト(右)に殴られるアムロ、ファースト屈指の有名シーン。『閃光のハサウェイ』場面写真配布キャンペーン「ノア家のアルバム」より (C)創通・サンライズ

 TVアニメ『機動戦士ガンダム』では、地球連邦軍とジオン公国軍の「一年戦争」を通し、主人公の「アムロ・レイ」が戦場で成長していく姿が描かれました。

 物語開始当初のアムロは15歳で、その言動にはまだ未熟さが見られます。これに対し、令和現在においては教育上、不適切とされかねない、人から殴られる場面が幾度となく見られました。

 例えば「ガンダム」の搭乗を拒んでいたアムロに対し、艦長である「ブライト・ノア」が顏を2度、殴打し、「おやじにもぶたれたことないのに!」とアムロが叫んだのは有名なシーンです。これにブライトは「殴られもせずに一人前になったやつがどこにいるものか」と返しており、このあたりは当時の価値観が見えるといえるでしょう。ただ、いつまでもクヨクヨしているアムロに活を入れてくれたおかげで、スッキリした視聴者も少なくないのではないでしょうか。

 ほかにもホワイトベースの一員である「リュウ・ホセイ」や、ジオン軍の脱走兵「ククルス・ドアン」と無人島で暮らしていた少女「ロラン」などにも顔を殴られており、アムロは自身の未熟な言動によって、けっこう痛い目に遭っています。

 しかし、殴られたことで自身の考えを見つめ直すきっかけにもなっていたため、決して彼にとってマイナスな経験ではないと考えます。現代とは違い、昭和の時代は体罰を受けることで、人は心身ともに鍛えられていくという考え方が根づいていたのかもしれません。ましてや軍隊ともなれば(ブライトに殴られた時点でアムロはまだ任官していませんが)、その考えはより強かったでしょうから、視聴者にとっても違和感のない描写だったことでしょう。

 とはいっても、途中からホワイトベースに配属された「スレッガー・ロウ」が操縦士「ミライ・ヤシマ」に手を上げたシーンには驚かされました。ミライの婚約者である「カムラン・ブルーム」が善意でホワイトベースの水先案内を買って出るも、ミライが冷たく彼を突き放そうとした時、そんな彼らを見兼ねてスレッガーは彼女を殴るのです。

 さらに殴った後にスレッガーは「この人は本気なんだよ」「そうでもなければこんな無茶が言えるか」とカムランを擁護し、さらに、「殴らなくたって話せば」と言うカムランに対しても「本気なら殴れるはずだ」と強気な発言を続けました。

 これは陽気なスレッガーがミライのために熱くなる場面であり、一気に彼の熱さに引き込まれた人も多いはずです。女性に手を上げるのは問題行動ではありますが、その分、彼の本気度がうかがえた場面でもありました。

【画像】昭和といえば…こちらがサービスシーンを大胆披露した「ガンダム美女&美少女」です(7枚)

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