【漫画】セルフレジが導入された100均店員 客の理不尽なクレームに「立ってるだけじゃない」
現役100円ショップ店員として働く男性の職場に「セルフレジ」が導入され、お客様からクレームが来てしまい……? 「セルフレジ」に対してのクレームを描いたエッセイマンガが話題です。作者の狸谷さんにお話を聞きました。
セルフレジが導入されても現場での仕事が減るわけではない!
現役100円ショップ店員として働く漫画家の狸谷さん(@akatsuki405)の職場には、商品のバーコードの読み取りから会計作業まで、すべてお客様自身が行うタイプの「セルフレジ」が導入されたそうです。操作方法の説明などのため、セルフレジの近くに立っているとクレームが入ることがあるそうで……?
狸谷さんによるエッセイマンガ『ヒャッキン店員のひとりごと』がX(旧:Twitter)上で公開されました。読者からは「ひとり、ふたりで倍以上あるセルフレジの使用をサポートしてるの、暇そうに見える人は、その人が何のためにそこに居るかの想像力が乏しいんだろうな……」「暇してるんじゃなくて、待機してるんだっていう認識を持ってほしいですね」「分かります! ひとりで9台のレジの監視しながら呼び込みなどしています。実は有人レジより仕事量多い……」「世の中はいろいろアップデートされる。いつまでもアップデートされないのは客の意識だけ」などの声があがっています。
狸谷さんは漫画家として活動しており、自身の勤務経験をもとにスーパーでの接客「あるある」を描いたマンガ『チェッカー鳥海さん、レジまでお願いします』(宝島社)が発売中です。
作者の狸谷さんにお話を聞きました。
ーー今作『ヒャッキン店員のひとりごと』を描いた理由や、作品に込めた思いなどを教えて下さい。
100円ショップに勤め始めて5年ほど経った頃に、勤務先にもセルフレジが導入されまして。実際、導入されてからはアテンド業務よりも「なぜセルフレジにしたのか」と憤(いきどお)るお客様への対応でスタッフは日々消耗していきました。現在はスタッフもお客様も慣れたようで、だいぶ落ち着きました。
「ボーッと立っているだけなら有人レジを開けなさいよ」とよくいわれますが、スタッフひとりで4台、5台あるレジの管理をするのは本当に大変で「ボーッと」ではなく「目が足りない」ほどなんだ! ということを知っていただきたく、描くに至りました。
ーーそのほかに印象に残っているクレームなどはありましたか?
職場の特徴として商品の問い合わせが多いのですが、画像も商品名も不明で漠然とした情報しか与えてくれないのに「あなたは私のことを理解してくれない」と一方的に会話を切られたことです。程度はさまざまですが、この方が割と印象に残っています。
ーー顧客が企業や従業員に対して理不尽なクレーム、言動をする「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が社会問題になっています。改善に向けて個人や社会全体で取り組むべきことなど、カスハラの現状に対しての狸谷さんの考えを教えていただきたいです。
店舗で理不尽なカスハラを受けて上長などに相談しても、人を選んでそういったハラスメント行為を行なう方もいて、応援を呼んだ途端に大人しくなって「話せば分かる人だったよ」で終わることがあります。名札で名前を覚えられて、名指しで無理な要望やクレームをしてきたり……。
直接目の当たりにしないと、事態を軽く見られて適切な対策をしてもらえないというのもあったりします。企業そのものが従業員を守る、という体制が広がっていけばいいなと思っています。
(マグミクス編集部)