伏線だけじゃない!『ワンピース』の扉絵に隠されていた秘密とは?
「週刊少年ジャンプ」を代表する大人気マンガ『ONE PIECE』は、「扉絵」にも尾田栄一郎先生のこだわり抜いた工夫が散りばめられています。ストーリーに直接関係する伏線描写以外にも、他のジャンプ作品へのリスペクトが垣間見える「あるメッセージ」が込められた扉絵も存在しました。
ラーメンの意味がムネアツ

「週刊少年ジャンプ」で27年間連載されている、『ONE PIECE』の魅力は本編だけにとどまりません。細部にまで手をかけた「扉絵」には、物語の伏線となる描写だけでなく、ファンを楽しませる数々の工夫も凝らされています。
なかには、作者である尾田栄一郎先生が敬愛する、そのほかの「ジャンプマンガ」に対し、深いリスペクトが感じられる「メッセージ」が隠された扉絵もありました。
●『NARUTO -ナルト-』
岸本斉史先生によるマンガ『NARUTO -ナルト-』が最終回を迎えた際には、尾田先生から岸本先生へ熱いメッセージが送られたと話題になりました。そのメッセージとは、2014年50号「週刊少年ジャンプ」に掲載された、『ONE PIECE』第766話の扉絵です。そこには主人公の「モンキー・D・ルフィ」が、居酒屋のような場所でラーメンを食べている姿が描かれています。
背景の壁には「とうふ」「おつまみ」「ルッコラのサラダ」などのメニュー札が描かれており、その上部の文字を左から順に拾って読んでいくと、「ナルトお疲れさんでした」というメッセージが隠されているのです。
さらに、「ナミ」の影に隠れて「ナルト」のような服装をした人物が描かれています。このナルトらしき人物はルフィの代名詞ともいえる「骨付き肉」を食べ、対してルフィはナルトを象徴する「一楽」のラーメンを食べている構図になっていました。その姿は、まるで互いに称え合っているかのようにも見えます。
ほかにも『ONE PIECE』のタイトルやナミの服などにも、ナルトが住んでいる「忍びの里」の象徴ともいえる「木ノ葉」マークを見ることができ、尾田先生の『NARUTO -ナルト-』愛を感じることができました。
●『こちら葛飾区亀有公園前派出所』
2016年42号にて、40年にわたる連載を終えた秋本治先生の『こち亀』こと『こちら葛飾区亀有公園前派出所』にも、尾田先生からのメッセージが送られていたようです。
『ONE PIECE』第839話の扉絵には、『こち亀』の主人公「両津勘吉」の巨大な手配書を囲む「麦わらの一味」と、手配書全体に両津のトレードマークの「眉毛」を落書きするルフィの姿が描かれています。
この手配書の懸賞金の数字は「965011」と書かれており、上下逆さまにして見てみると「110596」、さらに落書きの眉毛の形が「3」となり、「110(警察)5963(ご苦労さん)」と読めるのです。
さらに、本編に絡めたサブタイトル「クソお世話になりました」も、「サンジ」のストーリーに関係するものでありながら、ダブルミーニングとして尾田先生からレジェンドである秋本先生への敬意を評した熱いメッセージが込められていたとも読み取れます。こちらも、さり気ないけど秀逸な仕掛けだと、話題になりました。