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声優を目指すなら筋トレから? オーディション体験で気付いた、大切なこと【この業界の片隅で】

録音ブースに入って分かった、「まず最初に手をつけるべきこと」

声の演技の前に、台本の持ち方から(画像:写真AC)
声の演技の前に、台本の持ち方から(画像:写真AC)

 さて、出演声優のオーディションも終わり、私自身も録音ブースに入って声優の皆さんと同じ台本を読むという体験をすることに。マイクの前に立ってまず感じたのは、誰かに見られている状態で音の響かない密室にひとりでいるのは、それだけでかなり緊張するということです。外画(外国映画)の吹き替えキャストのオーディションでは、画面に流れる映像を見ながらせりふを言うこともあるそうですが、今回はアニメ。あるのは紙にして数枚の台本だけです。

 形だけでも声優っぽくやってみようと、台本を顔の高さに掲げたところで、さっそく音響監督から注意が入りました。「台本をめくったり演技の指示をメモしたりするのは、どちらの手でしますか?」。

 私は右利きですので、何の考えもなく右手に台本を持っていたのですが、言われてみれば、これでは即座にページをめくったり書き込んだりが難しくなります。素人は、まずこんなところから分からないのです。これで大丈夫と左手に持ち替えた途端、今度はキューランプ(演技開始の合図出しのためのランプ)が、台本の陰に隠れて見えなくなってしまいました。ブース内での適切な立ち位置を把握すること自体、ある程度の経験がなければ、なかなか難しいことなのです。

 台本を持つところからつまずき、ようやく演技開始です。もちろん、とても演技と呼べるような代物ではありませんが、音響監督からは丁寧なリテイクの指示が飛んできます。「今読んだのは、10メートルほど離れた所から呼びかけるせりふですよ? もう少し、そのように表現できませんか?」台本を読み解くのは職業柄、それなりにできるつもりですが、それを声で表現するとなると別問題です。必死になって何度も体全部を使うイメージで演じた末に、ようやくオーケーをもらえました。

 それで、新たに気付くことができました。声の演技も演技である以上、大前提としてフィジカルが必要。もしも私が声優を目指すのであれば、自分にとって演技とは何か模索し、台本を読み解く力を身につけるための勉強をするだけでなく、腹筋を中心とした筋トレを、今日からでも始めるでしょう。

 最後になってしまいましたが、今回、快く協力してくださった音響監督やスタジオの皆さんに、深くお礼申し上げます。私自身にとっても、貴重な学びの機会になりました。

(おふとん犬)

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