登録抹消された「ガンダム」のその後 グレート合体を各陣営がトライアルしたワケは?
『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の最後に、GPシリーズの「ガンダム」は登録抹消された、とされています。しかしその後の歴史を見ていくと、どう考えても影響を受けたMSが見られました。どうしてそうなったのでしょうか。
登録抹消になった「ガンダム」たちがその後のMSに与えた影響
OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』で、物語の重要なポイントとなった「ガンダム開発計画」は、最終的には計画凍結となり歴史の闇に葬り去られました。ところが、その後継機と思えるMS(モビルスーツ)がいくつか、後の世に秘かに生まれているのです。
ガンダム開発計画とは、「一年戦争」終結後の地球連邦軍が次世代の高性能MSを生み出すため、「アナハイム・エレクトロニクス」に外部発注した計画でした。その理由として、アナハイムがジオン公国最大の軍事メーカー「ジオニック」を戦後に吸収合併するなど、連邦とジオンの技術を融合させるのに最適だったからといわれています。
高性能MSとひと口にいっても、なにをもって高性能とするのか、さまざまな要素がありました。そこでアナハイムは、あらゆる局面に適応できるよう、複数の異なる「ガンダム」を試作することになります。それがガンダム開発計画の名を取った「GPシリーズ」でした。
初代ガンダムである「RX-78」の純粋な後継機で、汎用型の「RX-78GP01 ガンダム試作1号機ゼフィランサス」、核攻撃を主眼に置いた「RX-78GP02A ガンダム試作2号機サイサリス」、宇宙空間の拠点防衛用に開発した「RX-78GP03 ガンダム試作3号機デンドロビウム」、この3機がGPシリーズとしてロールアウトします。
このほかにもトライアル用として開発され、後のGPシリーズの原型機となった「RX-78GP00 ガンダム試作0号機ブロッサム」、対MS戦を主眼に置きながら別のMSに改修された「RX-78GP04G ガンダム試作4号機ガーベラ」が存在しました。いずれも花の名前がコードネームに使われています。
しかし、ガンダム開発計画は思わぬ事態に巻き込まれてしまいました。それがジオン残党組織「デラーズ・フリート」による「星の屑作戦」です。この作戦を遂行させるためにGP02はデラーズ・フリートに奪われ、よりにもよって連邦軍の艦隊に核弾頭を発射するという、連邦にとっては最悪な事態を引き起こしました。
この作戦の裏では、後にジオン残党狩りを目的とした組織「ティターンズ」を結成する「ジャミトフ・ハイマン」の思惑もあり、意図的な策略によってガンダム開発計画は「登録抹消」となってしまいます。ちなみに、これによって浮いた予算は、そのままティターンズ創設の資金となりました。
こうして、ガンダム開発計画で生まれた技術は封印されることとなります。しかし、そこは「死の商人」といわれているアナハイムだけに、後の世においてその技術を秘かに流用したと思われるMSが開発されています。
たとえば「MSZ-006 Zガンダム」には、GP01の改修機である「ガンダム試作1号機 フルバーニアン」と、カラーリングや脚部の構成などに類似点が見受けられました。さらに「RMS-009 リック・ディアス」は、GP02の影響を受けたと考えられます。共にティターンズと敵対する反地球連邦組織「エゥーゴ」に供与されている点が因縁かもしれません。
もっとも巨大MA(モビルアーマー)のコアとしてMSをドッキングさせるというコンセプトを持つGP03は、特異な存在であるがゆえ、後継機と思える機体はそれほど多くありません。しかしそれら後継機と見られる機体は、その突出した能力ゆえに、いくつかの戦場で驚異の戦闘力を披露することになるのでした。