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『バンゲリングベイ』ウソ技の記憶を被害者が語る 「コントローラーを投げたい」

開始数分で、コントローラーを投げ出したくなる

『ファミリーコンピュータ ゲーム必勝法シリーズ バンゲリングベイ』(勁文社)
『ファミリーコンピュータ ゲーム必勝法シリーズ バンゲリングベイ』(勁文社)

 さあ、いよいよ『バンゲリングベイ』をプレイできる。最終兵器を見てみたい。そもそも一体どんなゲームなんだろう……期待に胸を膨らませていた筆者ですが、開始数分でコントローラーをぶん投げたくなりました。

 自機のヘリコプターがまともに動いてくれないのです。コントローラーの右を押したら右に行く、左を押したら左に行く。それが当たり前だと思っていたのですが、『バンゲリングベイ』は上を押したら前進、左右のキーは自機の方向を変えるために使用する、ラジコンカーと同じような形式でした。

 後に当時ハドソンの社員だった高橋名人が語った話では、ラジコンの操縦がうまくなりたい社員がこのようなプログラミングをしたそうです。とにかく操作がしづらく、その場でぐるぐる回転してしまうこともしばしば。帝国どころかどこに目標の工場があるのかすら分からず、やみくもに動き回ってはあっさりやられ、どうにか工場の爆撃に成功しても次は補給に戻らなければならないなど、小学生にはあまりにも難易度が高いゲームでした。

 傍らで見守っていた同級生には「すごくつまらないだろ?」という感じのことを言われたのを覚えています。いわゆる「クソゲー」をつかまされた悔しさを、筆者にも味合わせたかったんでしょうねえ……。

 それでもどうにか操縦にも慣れた頃、同級生がおもむろに「面白い裏技があるんだよ」と言い、コントローラーII(以下、2コン)をつかみ、マイクに口を近づけ……「ハドソンハドソンハドソンハドソン!」と叫び始めました。

 その時筆者は、確かTVCMで、『バンゲリングベイ』では「ハドソンと叫ぶとなにかが起こる」と言っていたのを不意に思い出したのです。

 そういえばそうだった。何が起こるんだろう? そう考えていた筆者の自機に、不意に攻撃が命中します。何が起こっているのか理解する間もなく、あっという間にやられてしまいました。実は2コンのマイクに対してハドソン以外でもなんでもいいのでとにかく叫ぶと、敵を呼ぶギミックが仕込まれていたのです。

 もう最終兵器もへったくれもありません、完全にやる気をなくし、『バンゲリングベイ』を投げ出すことになりました。『ファミコンロッキー』の内容も嘘だったと後に分かりました。2019年にあさい先生が語ったところによると、「一番反響があったウソ技が『バンゲリングベイ』」だったそうです。

 先生、被害者がここにいます。

 まだインターネットが存在しない頃の、悔しくも懐かしい思い出です。

(早川清一朗)

【画像】当時の子供たちを叩きのめした「ウソ技」

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