もし令和アニメが90年代に放送されたら? 叫ぶ「フリーレン」が観られたかも
アニメが深夜に当たり前のように放送されるようになって数十年。かつて、アニメといえば夕方から20時の間に放送されるのが王道でした。では、現代のアニメが、表現も放送スタイルも異なる90年代に放送されていたらどのようになっていたのでしょうか?
令和アニメは90年代でもヒットしていた?

かつては、アニメといえば夕方からゴールデンタイムに放送されるのが王道でしたが、2024年現在は、深夜に当たり前のように放送されています。
では、もし現代のアニメが、表現も放送スタイルもだいぶ違う1990年代に放送されていたらどのようになっていたのでしょうか?
●90年代だったら分割2クール制はなかった?
TVアニメ『SPY×FAMILY』Season 1は、1クール放送して1クール休止、時間を空けて2クール目が放送される「分割2クール」で放送されました。昨今のアニメはこのような「分割クール制」で放送されることが多くなっているように感じます。
昔のアニメと比べ製作に時間的な余裕があるためか、作画は安定し、丸々数話をアニメオリジナルで埋めるようなこともなくなっています。
これが、もし分割クール制のようなものがない時代の90年代であれば、ストーリー進行上、中途半端な部分で終了したり、放送がマンガ連載に追いついてしまい、ダイジェストやキャラの回想で数話ぶんが埋められたりしたことでしょう。長期放送となれば1クールが完全にアニオリとなり、アーニャが大人になってトラブルを解決……する夢を見たようなお茶濁し回もあったかもしれません。
●90年代のアニメ主人公は必殺技をタメるし叫ぶ?
2023年9月から翌年3月まで放送された『葬送のフリーレン』は、主人公で魔法使いのエルフ「フリーレン」とその人間の弟子「フェルン」の旅が描かれ、魔族とのバトルが繰り広げられました。
両者ともクールな性格ゆえ、戦闘中に饒舌にしゃべることはなく、魔法はほぼ無表情のままつぶやくように詠唱します。しかし放たれた魔法の演出は豪快で、見る人を興奮させました。
さかのぼって90年代、放送されていたアニメの主人公といえば、能天気に明るく熱血なキャラが多かった印象です。そして策略で敵やライバルを出し抜くというよりも、正々堂々と挑み、根性で乗り切るのが王道、お約束だったように思います。
また、「かめはめ波!!!!」「ムーン・スパイラル・ハート・アタック!!!」などと、必殺技を大声で叫び、放たれるまで数秒の派手なタメや演出もありました。
このような時代背景のある90年代のゴールデンタイムに、もし『葬送のフリーレン』が放送されていたら、原作にはない演出がされていたかもしれません。
フェルンが杖をクルクルとトリッキーに操り、魔法を放つ予備動作が始まると、キラキラオーラが杖に集まり、その姿に敵はおののき眺めるだけです。十分にフェルンの魔力と視聴者キッズの期待が高まったところで「ゾルトラーク!!!!」と大声で叫ぶと魔法が放たれ、敵の背後の山もろとも削りとる……といった、原作にはないド派手なアクションになっていたかもしれません。
翌日、学校では掃除用具のモップを使った魔法使いの少年少女がたくさん現れたことでしょう。