「放送禁止用語を絶叫」「R15じゃ足りん」衝撃的なマンガを実写化した映画たち
アニメやマンガの実写作品には、内容が大人向けな作品が存在します。R指定になった作品もあれば、全年齢向けながら心配になってしまう要素、セリフが盛り込まれた作品もありました。
R指定にもなった実写映画
マンガを実写化した作品は原作をどれだけ忠実に再現しているかという点も、評価の大きなポイントになります。なかには過激なシーンを再現し、映像倫理機構(映倫)から「R指定」の区分にレイティングされた作品や、年齢制限はないものの、子供に見せるのは躊躇してしまう作品もありました。
●『愛しのアイリーン』R15+
『宮本から君へ』や 『ザ・ワールド・イズ・マイン』などの作品で知られる漫画家の新井英樹先生が描いた『愛しのアイリーン』は、連載終了から20年以上のときを経て、2018年に実写映画化されました。本作は「国際結婚」という題材を通して、閉鎖的な村社会の陰湿さや、ドロドロの人間ドラマの先にある純愛も描いています。
物語は、42歳の農家の息子「宍戸岩男」(演:安田顕)が、職場での失恋をきっかけに、貯金300万をはたき、「嫁探しツアー」へ参加するためフィリピンに行くところからはじまります。そこで彼は「アイリーン」(演:ナッツ・シトイ)という女性と出会い、彼女とともに帰国しました。
そして、日本とフィリピンという国籍も違うふたりの歪な夫婦生活がスタートするも、岩男を溺愛する母親「宍戸ツル」(演:木野花)からの猛反対にもあい、穏やかとはほど遠い新婚生活が始まります。しかし、ふたりの間には、徐々に本物の愛情が芽生えていくのでした。
「国際結婚」や「農村の高齢化問題」「家族愛」などさまざまなテーマが盛り込まれている本作は、「エロ、グロ描写」も満載です。岩男の自慰行為そのものが写っていたり、訛ってはいるものの、とある「放送禁止用語」を何度も叫んだり、アイリーンを連れ去ろうとする男「塩崎裕次郎」(演:伊勢谷友介)を岩男が猟銃で銃殺するシーンで大量の血しぶきが飛んだり、ツルの自傷行為をしっかり見せたりと、R指定も納得の内容となっています。
さらに、岩男が行為中に吐いて吐瀉物をそのままアイリーンにかけてしまったり、岩男とお見合いする予定だった真面目な女性「真嶋琴美」(演:桜まゆみ)が局部をさらしたりと、R15+指定でも足りないのではないかと思わされる描写もありました。
人を選ぶ作品ではあるものの、ネット上では「下品なシーンはあるけど、ただただ純粋な恋愛物語」「途中まで見てられなかったけど終盤は不覚にも泣いた」「恋愛だけでなく親子愛にも泣かされた。キャストが全員素晴らしい」と圧倒された人のレビューが多数あり、新井先生が描く生々しい人間ドラマの実写化として高い評価を受けています。
●『TOKYO TRIBE』R15+作品
井上三太先生原作のマンガ『TOKYO TRIBE』は、2014年にR15+指定作品として実写映画化されました。
本作は、さまざまなトライブ(族)が縄張りを競い合っている架空の街「トーキョー」を舞台に、「ブクロWU-RONZ」のヘッドに君臨する「メラ」(演:鈴木亮平)と「ムサシノSARU」に所属する「出口海」(演:YOUNG DAIS)のふたりを中心に巻き起こる、壮絶なバトルも見どころです。
また、「ラップミュージカル調」で描かれる本作は、でラブシーンまでもがラップのなかに盛り込まれています。例えば、メラがラップを披露しながら清野菜名さん演じる「スンミ」`を侮辱し、下着をナイフで切り裂くという生々しいシーンも描かれました。清野さんはここで初めてのフルヌードに挑戦しています。
ネット上では、「キレッキレのアクションが目を惹く」「血生臭く欲まみれの感じが世界観として最高だった」などと、過激な演出とキャスト陣の熱演が評価されていました。