『ドラクエ アベル伝説』女剣士デイジィはなぜティアラよりも人気? 5つの理由
アニメ『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』で一番人気のヒロインといえばティアラ……ではなくデイジィ!? 今も多くのファンの心をとらえてやまない、女剣士デイジィの魅力を改めて振り返ります。
ティアラが悪いんじゃない、デイジィがただかわいすぎただけ
マグミクスは、1989年放送のTVアニメ『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』(※放送時は『ドラゴンクエスト』とのみ表記、以下『アベル伝説』)に関する考察記事「『勇者アベル伝説』打ち切りエンドしか観ていないファン 第2部で描かれた結末とは」を配信しました。
『アベル伝説』は32話で一度放送が打ち切られ、約4か月後からローカル局で順次第2部が放送された変則的な作品です。インターネットが普及していなかった当時は、第2部の存在を見落としてしまいがちでした。
記事に寄せられた読者のコメントでは、キャラクターの魅力に触れたものがあり「ティアラよりデイジィが好きだった」、「断然デイジィ派」、「はやぶさの剣を使いこなすデイジィはかっこよくてかわいかった」など、旅の仲間である女剣士「デイジィ」を推す声が多く見られました。
物語のメインヒロインは「ティアラ」ですが、ヒロイン人気はデイジィに分があるようです。そして、筆者もその意見には大変同感です。デイジィはなぜ、こんなにも愛されているのでしょうか?
●これぞ『ドラクエ』! といいたくなるキャラクターデザイン
主人公「アベル」とヒロインのティアラは『ドラクエ』としては珍しい民族衣装感の強いファッションで、仲間のひとりである「ヤナック」も頭に巻いたターバンにトレードマークのパイプ……と、西洋ファンタジーから少しズラしたデザインでした。
一方、デイジィはゲーム『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の「女戦士」を彷彿(ほうふつ)とさせる直球の西洋ファンタジー風デザインで、強く目を引く存在でした。さらに、かぶとの意匠である2本のツノは初代『ドラクエ』の主人公を、防具のメインカラーである青も『ドラクエ3』までの主人公たちを連想させます。
当時のスタッフがどこまで意図していたかは分かりませんが、デイジィは「『ドラクエ』を知っているほど好きになりやすいデザイン」であったと思います。
●今でいう「ギャップ萌え」をとことん追求した描写
デイジィは「宝石目当ての一匹狼」として登場しますが、宝石にこだわるのはお金にがめついのではなく、「幼い頃に人買いに買われていった弟妹を見つけて買い戻す」という目的のためでした。
また、気丈でありつつネズミとゲジゲジが苦手という一面も持っており、第8話では野生のモンスターであるおおねずみを見て黄色い悲鳴を上げたほか、第36話では数えきれないほどのネズミに囲まれてその場にへたりこみ、その場にいないアベルに弱々しく助けを求める姿が描かれました。そんな時でも「怖い」のではなく「嫌い」というところに、普段の気の強さがギリギリ残っているのがまた趣き深い(?)シーンです。
アニメ放送当時はキャラに対して「萌え」という言葉を使う風潮がまだありませんでしたが、彼女は今の言葉でいうなら「ギャップ萌え」に満ちたキャラでした。