『ハウル』とソフィーの「その後」を知ってる? 猫になって子供を産んだらしい
宮崎駿監督の大ヒット作『ハウルの動く城』の原作には、続編とも言える「姉妹編」が2作あります。ハウルとソフィーのその後はどのように描かれているでしょうか?
驚愕! ソフィーの奇想天外な出産

宮崎駿監督による映画『ハウルの動く城』は、興行収入196億円を記録した大ヒット作です。2006年に始めて『金曜ロードショー』で放送された際は、視聴率32.9%という今ではなかなかお目にかかることのない数字を叩き出しました。
魔法使い「ハウル」と魔女によって90歳の老婆にされた少女「ソフィー」の出会いと恋を描く『ハウルの動く城』は、イギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんのファンタジー小説『魔法使いハウルと火の悪魔』が原作です。
同作には姉妹編の『アブダラと空飛ぶ絨毯』、『チャーメインと魔法の家』があり、日本では3冊とも徳間文庫より「ハウルの動く城」シリーズとして発売されています。「続編」ではなく「姉妹編」とされているのは、それぞれ異なる主人公がいるからですが、どちらにもソフィーとハウルが登場し、ふたりのその後を知ることができます。
※この記事では『魔法使いハウルと火の悪魔』、『アブダラと空飛ぶ絨毯』、『チャーメインと魔法の家』のストーリーについての記載があります。
宮崎監督は原作の人物設定を大胆に改変し、物語の核となる戦争の描写を加えて映画を制作しましたが、「ハウルとソフィーの出会いと恋」という基本線は守っていました。映画のラストで、元の年齢の姿に戻ったソフィーとハウルはキスをしますが、『魔法使いハウルと火の悪魔』の結末でもふたりは結ばれます。なお、原作のソフィーは映画よりもずっと気が強く、意固地で、毒舌です。
『アブダラと空飛ぶ絨毯』は、アラビアンナイト風の世界を舞台に、若き絨毯職人の「アブダラ」が「魔神(ジン)」にさらわれた姫を助けるため、魔法の空飛ぶ絨毯に乗って冒険をする物語です。この頃、ハウルは王室付きの魔法使いになり、妻のソフィー、火の悪魔「カルシファー」とともに動く城で暮らしていました。
ソフィー、ハウル、カルシファーは意外な形で物語に登場します。なんとアブダラが拾った「真夜中」という名の猫の正体がソフィーだったのです。動く城をジンに盗まれてしまったハウルが、ソフィーを猫の姿に変えて逃がしていたのでした。猫になったソフィーはネズミなどを食べて生き延び(小鳥は羽が喉にかかって食べにくかったそう)、猫の姿のまま息子の「モーガン」を出産しています。
一方、姿を消したハウルはジンによって瓶のなかの精霊「ジンニー」に姿を変えられていました。ソフィー、モーガン、ハウルはそれぞれ元の姿に戻り、その上、魔法の絨毯の正体がカルシファーだと明かされます。ジンは改心し、ソフィーたちは動く城に戻り、アブダラは助けた姫と結婚して、ハッピーエンドとなりました。