「意外と知らない」『キャッツ・アイ』の最終回 瞳の正体は俊夫にバレた?
意外過ぎるけど感動するアニメの最終回

一方、アニメ『キャッツ・アイ』には、第1期の最終回「ハインツを知る男」と第2期の最終回「愛のカーテンコール」があります。
第1期の最終回「ハインツを知る男」は、父、ハインツからのメッセージを託された男「醍醐」が登場します。醍醐はハインツを狙う某国の殺し屋に殺害されてしまいますが、キャッツが殺し屋を捕らえ、ハインツがいるとされるパリに飛び立ちます。
瞳は俊夫にパリに旅立つことを告げるものの、俊夫は重くとらえていませんでした。泪と愛にけしかけられた瞳は、自分から俊夫に迫ってキスを交わします。その後、パリの到着した三姉妹が、パリでの生活をエンジョイし、キャッツとしても活動している様子が描かれて終わりました。
「愛のカーテンコール」はかなりトリッキーな最終回です。なんと劇中劇としてキャッツの正体が瞳であることが描かれるのです。
愛が学校での演劇のために書いた舞台の脚本は、キャッツが主役のノンフィクションのようなお話でした。キャッツ役は来生三姉妹が演じ、立候補した俊夫が刑事役、課長や女刑事の「浅谷光子」まで自分の役で出演します。ハインツコレクションの指輪を美貌の夫人から盗もうとするサイドストーリーも展開しますが、やはり目玉は瞳と俊夫が対峙する場面でしょう。
暗がりのなかで銃を構えるキャッツ。「お前の顔を見て死ねたら本望だ」と俊夫がライトを当てると、そこにはレオタード姿の瞳が立っていました。瞳は自分の頭を撃ち抜こうとしますが、俊夫は阻止して抱きしめます。瞳は涙を流し、俊夫もまた慟哭していました。
キャッツに逃げられたことを課長に報告する俊夫の前に、瞳が現れて「私です! 私がキャッツ・アイです!」と叫びます。俊夫のクビを阻止するため、瞳は自分を逮捕するよう訴えたのです。課長は涙を浮かべながら手錠を俊夫に渡し、俊夫は泣きながら瞳に手錠をかけてふたりで抱き合いました。
しかし、夫人の機転で盗みはなかったことになり、課長も瞳の手錠を外します。万雷の拍手のなか、キャッツの姿をした瞳と刑事の俊夫が腕を組んで幸せそうに笑い合いながら歩くという、今まであり得なかった画が描かれました。
現実に戻ると、キャッツは夫人からダイヤを盗んでいました(夫人は良い人なのでちょっと気の毒)。俊夫は課長に怒鳴られ、瞳に励まされながら捜査に戻るというエンディングを迎えました。
原作とはかけ離れていますが、ファンが見たかった場面を劇中劇として再現し、ふたりの思いの丈を語らせるという、意表を突きつつ、非常に凝った最終回だったといえるでしょう。
原作マンガ、TVアニメをふくめて、どの最終回もそれぞれ違った魅力があります。あなたはどの最終回がお好みですか。
(大山くまお)