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『仮面の忍者 赤影』が残した特撮のDNA 『麒麟がくる』で注目の織田信長も登場!

第二部からは織田信長も登場

『仮面の忍者 赤影』 第二部 卍党篇 [DVD](TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))
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 原作から離れた第二部「まんじ党篇」になると、無軌道さに拍車がかかります。第二部では織田信長(倉丘伸太郎)も姿を見せます。異国から「ギヤマンの鐘」を求めて現れた「まんじ党」の妖術者たちから日本を守るよう、信長は赤影たちに命じるのでした。「金目教篇」に続いて、幻妖斎役で天津敏が出演。パラソルを手にして空から降りてくる黒道士、全身を銀色の針で覆われた猩猩左近など、さまざまな奇人変人たちが赤影たちに襲いかかります。「ギヤマンの鐘」の秘密を知る南蛮人ジュリアンは、個性派俳優の大泉滉が扮していました。

 第三部「根来篇」では、織田信長(嶋田景一郎)の出番はさらに増えることになります。京都へと向かう信長を根来衆の忍者たちが狙い、赤影たちが護衛することになるのです。カブトムシが巨大化したアゴンなどの怪獣も、続々と登場しました。信長に対して反乱を企てる弾正役を、悪役スターとして数多くの東映ヤクザ映画に出演した汐路章が演じているのも見逃せません。

 東映が得意とした時代劇をベースにしつつ、怪獣ブームに迎合した破天荒さが加わり、『赤影』は他の特撮ドラマにはないフリーダムな魅力を放っていました。悪役を演じた東映の大部屋俳優たちも、とても楽しげです。さらに『赤影』は後の特撮シリーズに大きな影響を与えることになるのです。

人知れず、人気シリーズの礎となった赤影たち

 1964年の東京オリンピックをきっかけに、カラーテレビが一般家庭に普及するようになりました。『赤影』のメインキャラクターである赤影、白影、青影はカラーテレビ映えするように、分かりやすくカラーリングが施されていたのです。個性的な忍者たちがそれぞれの得意技を駆使し、チームプレーで敵を倒すという爽快感もありました。

『赤影』に関わっていた東映の平山亨プロデューサーは、1975年に放映が始まった『秘密戦隊ゴレンジャー』も手がけることになります。メインキャラクターは3人から5人に増えたわけですが、『赤影』での成功体験がテレビ朝日の人気番組へと成長する「スーパー戦隊シリーズ」の原型となっていたのです。

 時代考証は度外視していた『赤影』ですが、現実の織田信長は「忍者の里」伊賀国を攻略するのに大変苦心したことが史実として残されています。また、大河ドラマ『麒麟がくる』に登場している菊丸(岡村隆史)が実は忍者ではないかと、ネットユーザーの間では話題になっています。果たして『麒麟がくる』では、信長と忍者との関係性が描かれることになるのでしょうか。赤影たちの勇姿とともに、戦国時代に想いを馳せてみるのはいかがでしょうか。

(長野辰次)

【画像】アニメ、劇場版も制作された『赤影』(5枚)

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