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今も連載続く名作『キン肉マン』、80年代の「子供たち」はいかに熱狂したか

「超人募集」に応募が殺到。読者と作者の近い距離感

『キン肉マン』を語るとき、絶対に外せないのが「週刊少年ジャンプ」誌上での超人デザイン募集です。『キン肉マン』を愛する読者たちがありったけの情熱を込めて描き上げ、送り出したはがきの中から採用された超人たちはかなりの数にのぼります。

 キン肉マンの盟友であるロビンマスクやラーメンマン、ウォーズマンとジェロニモも、読者のアイデアから採用されたというのは驚きです。ほかにも「7人の悪魔超人編」から登場したバッファローマン、スプリングマン、ステカセキング、アトランティス、ブラックホール、ミスター・カーメン、ザ・魔雲天もすべて募集からの採用ですし、「黄金のマスク編」に登場した悪魔六騎士のスニゲーター、プラネットマン、ジャンクマン、ザ・ニンジャ、アシュラマン、サンシャインもそうでした。

 また悪魔将軍やネプチューンマンは読者のアイデアをゆでたまご先生がブラッシュアップして採用するなど、読者と作者の距離がとても近かったことも、『キン肉マン』の熱気に大きな力を与えていました。『週刊少年ジャンプ』での連載が一時中断したことがあったのですが、中断のお知らせを見たときのショックの大きさは、今も記憶に残っています。

 そんな『キン肉マン』ですが、アニメは1986年に、連載は1987年にいったん終了してしまいます。後にゆでたまご先生は「連載終了時もジャンプ内でのアンケートで上位5位をキープしていたが、人気のあるうちに惜しまれて終了する」という美学のもと、連載終了を決断したと語っています。

 一度は終わりを迎えたかのように見えた『キン肉マン』ですが、1991年の『キン肉星王位争奪編』のアニメ化を挟み、1997年には次世代を描く『キン肉マンII世』の短期連載が始まり、すぐに本連載化されました。『II世』の連載が始まると、募集をかけていないのに、読者から次々と超人のアイデアが送られてきたそうです。時が過ぎても多くの人のなかに『キン肉マン』の熱気が宿り続けていたのでしょう。

 そうして2011年。ついに本編の連載が再開され、現在も連載が続いています。2019年には連載40年の節目を迎えながらも、今なお『キン肉マン』を愛する人たちの熱情は、衰えることなく燃え盛っているのです。

 M・U・S・C・L・E muscle!
 M・U・S・C・L・E muscle!
 3・2・1 Fire!

(早川清一朗)

●『キン肉マン』連載40周年記念 スペシャルムービー

【画像】12年前の今日、『キン肉マンの日』開始。「筋肉を考える」コラボも(6枚)

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