自分の意志では外に出られない室内飼いの猫 「猫の願い」について考えたら…
漫画家の迷子さんによる描き下ろしエッセイ。自分の意志では自由に外に出られない、室内飼いの猫は、本当のところ何を望んでいるのでしょうか。
猫はどう思っているのだろう?
漫画家の迷子さんによる描き下ろしエッセイ。
猫を外に連れて行く時に思うこと。自分の意志で自由に外に出られない猫はどう思っているのだろう……そう考えていたら?
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暖かくなると猫にせがまれて、たまに外に連れていく。
一応ハーネスを着けてはいるが、性格のせいもあるのかあまり動きまわったりはしない。大体の時間は地べたでごろごろとしたり、座り込んだり、葉っぱの匂いを嗅いだりしている。風にひげをそよそよさせて目を細めたりしているのを見ると、多少は楽しんでいるのだろうと思う。多分。おそらく。
自分の意志で外に出られない生活ってどうなんだろう。もちろん、猫が病気にならないように、けがをしないように、車にひかれないように、迷子にならないように、外敵に襲われないように、人にさらわれないように……と人の考える「猫のために」を上げればきりがない。でもその猫が一番に何を望んでいるかを正確に知る方法はないしなぁ。知りたいなぁ。教えてくれないかなぁ。ほんやくこんにゃくお味噌味がほしい。
あなたたち、同種の隣人が何を考えているのかも分からないくせに、別種の気持ちを知りたいなんて無茶を言うんじゃないよ、と猫神様に怒られるのがオチだろうか。
せめて、自分が想像できる限りの猫の幸せな暮らしを守れるように生きていきたいものだと思う。
(迷子)