『宇宙刑事シャイダー』感動で震えたラスト 主演・円谷浩さんの早すぎた旅立ち
1984年3月2日、『宇宙刑事シャイダー』の放送が始まりました。『宇宙刑事ギャバン』『宇宙刑事シャリバン』に続く宇宙刑事シリーズ第3弾となった本作は、新人宇宙刑事・シャイダーと相棒の女宇宙刑事・アニーの活躍と成長を1年通して描き、大きな話題となりました。80年代メタルヒーローの一員として今も存在感を放つ本作について語ります。
未熟な若者の成長を描いた『宇宙刑事シャイダー』

1984年3月2日、特撮TVドラマ『宇宙刑事シャイダー』の放送がスタート。『宇宙刑事ギャバン』『宇宙刑事シャリバン』に続く宇宙刑事シリーズ第3弾となった本作は、新人宇宙刑事・シャイダーと相棒の女宇宙刑事・アニーの活躍と成長を1年通して描き、大きな話題となりました。80年代メタルヒーローの一員として今も存在感を放つ本作について、ライターの早川清一朗さんが語ります。
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蒼きメタルヒーロー『宇宙刑事シャイダー』(以下、シャイダー)の放送が開始されてから、36年が経ちました。主人公、沢村大を演じた円谷浩さんが2001年7月24日に37歳の若さで亡くなってから、もう18年以上が経過しようとしています。
日本特撮界の第一人者・円谷英二氏の孫である浩氏は、『シャイダー』で主演を務めた後にも『暴れん坊将軍』『水戸黄門』『ウルトラマンガイア』などさまざまな作品に出演していましたが、2000年ごろに体調不良で俳優を引退。円谷プロダクション芸能部マネージャーへと転身した翌年に入院、そのまま帰らぬ人となりました。肝不全でした。
さて、『シャイダー』ですが、前作までの重々しいストーリーとは若干雰囲気が異なります。『シャリバン』のような子供が怯えるほどの怪奇色は抑えられ、円谷氏の明るい雰囲気を前面に押し出した、青春物語のようなテイストが感じられる作品でした。ただ、実は円谷氏はあまりアクションを得意としていなかったため、特撮ヒーロー番組の目玉である生身のバトルシーンやアクションシーンをどうするかという課題がありました。
そこで大きな存在感を放ったのが、相棒の女宇宙刑事・アニーを演じた新進気鋭の若手女優、森永奈緒美さんでした。ジャパンアクションクラブに所属していた森永さんはミニスカートで華麗かつ大胆なアクションを披露し、今なお語り継がれるほどの人気を獲得しています。