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『ガンダム』などアニメに見る「会社員パイロット」の登場 鏡写したる現実の現状は

モビルスーツパイロット、というと、初代主人公のアムロが当初民間人のままだったこともあり「職業軍人」だけではないイメージはあるかもしれません。一方で「会社員」の肩書きでモビルスーツに乗るパイロットも登場しました。

職業軍人でもアマチュアでもない「会社員」MSパイロット

宇宙世紀0096年を舞台に、傭兵である「主人公」の物語をVR映像で描く。『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』キーアート (C)創通・サンライズ
宇宙世紀0096年を舞台に、傭兵である「主人公」の物語をVR映像で描く。『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』キーアート (C)創通・サンライズ

 軍事兵器のパイロットで、たとえ戦争に参加しエースと称されていても、彼ないし彼女が職業軍人とは限りません。

 アニメ第1作『機動戦士ガンダム』の主人公「アムロ・レイ」は劇中、地球連邦軍の本拠地が置かれていた南米のジャブローで曹長(映画では少尉)に任官し、『逆襲のシャア』で行方不明になるまで、地球連邦軍に雇用された「職業軍人」として過ごしていました。

  2024年8月現在、TV放送や映画化された宇宙世紀シリーズは9本制作されており、『機動戦士Zガンダム』の「カミーユ・ビダン」(高校生)、『機動戦士ガンダムZZ』の「ジュドー・アーシタ」(ジャンク屋)、『機動戦士ガンダムF91』の「シーブック・アノー」(高校生)、『機動戦士Vガンダム』の「ウッソ・エヴィン」(両親に戦闘訓練を受けているただの子供)、『機動戦士ガンダムUC』の「バナージ・リンクス」(高校生)、『機動戦士ガンダムNT』の「ヨナ・バシュタ」(地球連邦軍少尉)、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の「ハサウェイ・ノア」(植物監視官候補/活動家)が、それぞれ主人公を務めています。

 OVAに目をひろげると『機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー』の主人公「コウ・ウラキ」のような職業軍人は少なくありませんし、漫画やゲームにまで範囲を広げると、職業軍人の主人公はさらに増えますが、ことTVアニメや映画として制作された宇宙世紀シリーズの作品群に限定すると、アムロとヨナ以外に職業軍人の主人公はひとりもいません。

 シリーズを制作しているサンライズ(バンダイナムコフィルムワークス)は2024年3月に、宇宙世紀シリーズの新作『機動戦士ガンダム 銀灰の幻影』をVR(仮想現実)映画として制作していることを明らかにしています。そして同作の「主人公」や、おそらく準主人公的立ち位置の重要キャラ「バビア・レナ」は、地球連邦軍やその敵対組織に所属する職業軍人ではなく、「アージェント・キール」という組織に所属する傭兵パイロットであると紹介されています。

 2024年7月の時点でアージェント・キールの詳細は明らかになっていません。筆者は、政府などから金銭を得て軍事行動を行なう民間軍事会社なのではないかと思っており、この推察が正しければ、「主人公」やバビアは宇宙世紀シリーズ初となる「会社員パイロット」の主人公および準主人公ということになります。

 ガンダムシリーズと並ぶご長寿シリーズでは、ひと足速く会社員パイロットが登場していました。

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