「トラウマシーンだらけ」「急きょR指定に」 年齢制限ありの衝撃アニメ映画
数多く公開されるアニメ映画のなかには、子供向けの作品だけでなく、過激なシーンで年齢制限がかかってしまった大人向けの作品が存在します。戦後史や近未来などさまざまなテーマが描かれ、現在も多くのファンに愛されています。
冒頭から衝撃シーンが描かれた名作
毎年数多く製作されるアニメ映画のなかには、内容や描写が過激過ぎるがゆえに年齢制限がかかってしまう作品があります。刺激的なシーンが多く盛り込まれたアニメ映画は、いったいどういった内容だったのでしょうか。
●『人狼 JIN-ROH』PG-12指定作品
映画監督の押井守さんが原作と脚本を務めたアニメ『人狼 JIN-ROH』は、2000年に公開され、PG-12指定(12歳以下の方には保護者等の助言、指導が必要)となりました。
本作は架空の戦後の東京を舞台に、警察特殊部隊のエリート隊員「伏一貴」とゲリラ組織の少女「雨宮圭」との悲しい恋模様を描く大人向けの作品です。物語冒頭から反政府の過激派を鎮圧しようと治安部隊が出動し、一斉射撃をするシーンがあり、人びとが一瞬にして蜂の巣のなる姿に衝撃を受けた人も多かったのではないでしょうか。
R指定まではいかなかったものの、終始暗く重い雰囲気で描かれ、伏と圭のふたりの結末は、残酷シーン以上に、後を引くつらさがあります。業界随一のスタッフが手がけた本作は多少のグロテスクな描写があっても、作画の完成度などに関して高く評価されているようです。
●『虐殺器官』R15+指定作品
同名SF小説が原作のアニメ映画『虐殺器官』(原作:伊藤計劃)は、R15+指定で2017年に公開されました。アメリカ軍特殊部隊隊員の主人公「クラヴィス・シェパード」が、大規模虐殺やテロに関わる元言語学者「ジョン・ポール」暗殺に向け、彼の跡を追う軍事サスペンス作品です。
本作の迫力ある戦闘シーンでは、銃撃によって兵士や子供の四肢、頭部などがもげ、大量の血しぶきが飛ぶ描写などかなり残虐で、R指定も納得の内容となっています。また、ジョンが言葉を使って人間のなかにある器官を利用して虐殺を誘発させるという設定に難しさを覚えますが、戦争やテロ、近未来的な管理社会などのテーマに惹き込まれます。まさに、大人向けのアニメ映画といえるでしょう。