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今更だけど『ドラゴンボールZ』の引き延ばしすごかったな… 「1ページを5分に」した驚き

『鬼滅の刃』の「無限城編」が三部作で映画公開されると知ったファンの間からは、コンテンツ不足によるクオリティ悪化を懸念する声が上がっています。上映時間の隙間を埋める「尺稼ぎ」とはどのようなものなのでしょうか。

アニメがマンガの展開に追いついてしまう

『ドラゴンボールZ』18巻(ポニーキャニオン) (C)バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
『ドラゴンボールZ』18巻(ポニーキャニオン) (C)バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

『鬼滅の刃 柱稽古編』の終了に合わせて、鬼たちとの最終決戦となる「無限城編」の映画三部作での公開が発表されました。「無限列車編」のようなハイクオリティなアニメーションが期待できそうです。

 しかし一部のファンからは、十分なエピソードが足りなくて上映時間が間延びするのではないかと懸念する声があがっています。彼らが危惧する「尺稼ぎ」とは、いったいどのような演出なのでしょうか?

 この記事ではアニメ『ドラゴンボールZ』が、どのように原作マンガを引き伸ばしていたのか振り返ります。

●バトルシーンはアニメにすると一瞬!

 マンガをアニメにする際に生じる根本的な問題のひとつが、コンテンツの消費速度です。マンガではバトルシーンを何ページ、場合によっては何巻にもわたって描くことは珍しくありません。緻密に描写するほどにページ数はかさんでいくものです。

 しかし膨大な描写によって描かれたバトルシーンも、映像化してしまえば一瞬です。ハイクオリティなアニメーションほど、一瞬の動きに原作のエッセンスを取り込んで視聴者の心を惹きつけるものです。アニメには数週間、数ヶ月にわたって少しずつ楽しんできたマンガをほんの数分で一気に消費する贅沢さがあります。

 その結果、アニメが原作に追いついてしまうケースが多発しており、その代表ともいえる作品が『ドラゴンボール』です。特に「孫悟空」が大人になってからのパートを描いたアニメ『ドラゴンボールZ』はバトルが中心ですから、アニメ化に伴う原作消費速度には目を瞠る(みはる)ものがあります。

 そこで原作消費を抑えるために取り入れられたのが、アニメオリジナルエピソードの挿入と「尺稼ぎ」と言われることになる演出のペースダウンです。アニメ『ドラゴンボールZ』ではその両者が取り入れられました。超サイヤ人になった悟空と「フリーザ」の最終決戦では、幼いファンも不自然に感じられるほど尺稼ぎ演出が多用されたことで知られています。

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