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FC版『忍者ハットリくん』 キャラゲーは「クソゲー」が多かった時代、出来栄えは?

1986年3月5日に、ハドソンからファミコン用ソフト『忍者ハットリくん』が発売されました。藤子不二雄A先生の原作およびアニメ版を元にして作られた同作は、「キャラゲーといえばクソゲーが多い」時代に、ゲーム好きの少年を熱中させました。

「クソゲー」の可能性も? ハドソンを信じて購入!

ファミコン版『忍者ハットリくん』(ハドソン)
ファミコン版『忍者ハットリくん』(ハドソン)

 1986年3月5日に、ハドソンからファミコン用ソフト『忍者ハットリくん』が発売されました。藤子不二雄A先生の原作およびアニメ版を元にして作られた同作は、知名度の高さや『コロコロコミック』での特集に加え、ゲーム性の高さでも人気を呼び、150万本を売り上げました。当時小学生だったライターの早川清一朗さんが、懐かしい記憶を語ります。

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 筆者が子供のころ、TVでは毎日のように藤子・F・不二雄先生か藤子不二雄A先生(※)原作のアニメが流れていました。『ドラえもん』を筆頭に、『パーマン』『オバケのQ太郎』など、数え上げればキリがありません。『忍者ハットリくん』もそのなかのひとつで、1981年にアニメ化され、1987年まで全694話が制作されました。海外でも人気が高く、特にインドでは2013年に新作シリーズが制作され、ハットリくんのオリジナル声優である堀絢子(ほり・じゅんこ)さんが声を当てています。さらなる新作も制作中で、Netflixによる配信が予定されているようです。

 さて、当時の話に戻りますが、小学生時代の筆者はファミコンの情報を得るために、「コロコロコミック」を愛読していました。巻頭のカラーページでしばしば特集されるタイトルが、筆者や同世代にとっての、貴重な情報源となっていたのです。なかでもよく特集されていたのが、『スターフォース』や『スターソルジャー』などの人気シューティングゲームを世に送り出していたハドソンです。ファミコンのカセットはあまりできが良くない「クソゲー」をつかまされることも多かったのですが、ハドソンは比較的良質なゲームを出してくれることが多く、信用度は高いメーカーでした。

 ある日のこと。そのハドソンが『忍者ハットリくん』のゲームを発売すると、「コロコロコミック」に記事が掲載されたのです。一瞬喜んだ筆者でしたが、同時に一抹の不安がよぎりました。なぜならば、ファミコンのキャラゲーは「クソゲー」率がとんでもなく高く、筆者も何度か痛い目をみていたのです。迷いに迷いましたが、最後はハドソンを信じて購入しました。

【画像】良作揃いだったハドソンのファミコンソフト(5枚)

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