「頼むからツッコませろ」どう考えてもやはり妙な「ガンダム」シリーズの「変な武器」
ツッコミどころは「名前の長さ」

●シュペールラケルタビームサーベルアンビデクストラスハルバードモード/「ストライクフリーダムガンダム」「インフィニットジャスティスガンダム」
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する高出力で長刀身のビームサーベルは「シュペールラケルタビームサーベル」と呼ばれます。これを2本、柄同士を合体させ双刃刀状態にすると「シュペールラケルタビームサーベルアンビデクストラスハルバードモード」が完成します。
本武器の一番のツッコミどころは、名前の長さにあります。文字数にして33文字にも及ぶその名は、口にすると響きが心地よくありますが、戦闘中に発したら言い終わるまでに状況が一変してしまうでしょう。
名前のインパクトこそ強力なものの、劇中ではさほど目立った見せ場がありません。相手と逆側の刀身が自身を傷つけてしまうリスクがあり、使い勝手が悪かったのでしょうか。とはいえ(舞台は異なるものの)「ゲルググ」の「ビームナギナタ」という先例もあります。見た目はかっこいいため、もう少し活用の場が欲しかったところです。
●ヴィーセルナーゲルビームブーメラン/「イモータルジャスティスガンダム」

『機動戦士ガンダムSEED』シリーズには多くのブーメラン型兵器が登場します。その最新型として『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』には、「イモータルジャスティスガンダム」の「ヴィーセルナーゲルビームブーメラン」が登場しました。
弧を描く軌道で相手の想定外の位置から襲いくるのがブーメラン型兵器の特徴です。ただし本武器は手に持つことで近接戦闘においても力を発揮します。その切れ味は鋭く、大型モビルスーツの腕をも容易に切り裂きました。
驚きの高性能と汎用性を発揮する本武器ではあるものの、どうしても気になるのが相手に奪われるリスクです。ブーメランである以上、本武器は相手に向けて投げることを用途としています。それを敵がキャッチしたり、盾や障害物で止めて使い始めたりしたら……心配性の筆者だったら恐ろしくて投げられませんが、そこはさすが作中屈指の操縦技術を持つ「シン・アスカ」といったところでしょうか。
●『水星の魔女』には変な武器がない?
ここまで「オルタナティブ」シリーズに登場したツッコミどころのある武器を振り返ってきました。ただ、そうした「ツッコミどころのある武器、道具」が存在するのは「ガンダム」シリーズの世界に限ったことではありません。私たちが暮らす現実世界にもツッコミどころのある武器、道具は存在します。
しかし私たちはトライアンドエラーを繰り返しながら道具の便利さを追求してきました。翻って考えてみるに、最近になるほど「ガンダム」シリーズで変な武器は減っている印象があり、近作である『機動戦士ガンダム 水星の魔女』にはツッコミどころのある武器が見当たりませんでした。もしかしたら、「ガンダム」という作品の制作現場でも武器の洗練が進んでいるのかもしれません。
(はるのおと)
※本文の一部を修正しました。
(2024.7.29 11:42)