マスク不足が深刻 3.11で手に入らなかったものとは? 今読みたい、実録マンガ
新型コロナウイルスの影響で、日本国内では深刻なマスク不足の状況に。東日本大震災の発生時も、様々な物資が不足していました。漫画家のニコ・ニコルソンさんが3.11の体験を描いた『ナガサレール イエタテール 完全版』が、2020年3月3日に発売されました。
マスク不足が深刻
新型コロナウイルスの感染が広がり、日本国内ではマスク不足が深刻な状況です。ドラッグストア等に入荷されても、朝一番に完売してしまい、在庫を持つ店舗はほぼありません。
漫画家のニコ・ニコルソンさん(@niconicholson)は、ドラッグストアでの出来事をマンガに描き、Twitterに投稿。必死にマスクを探す女性に声をかけられたのですが、ニコルソンさんが手にしていたのはマスクではなく、箱入りのカイロでした……。
また、品物は不足していないものの、不安に駆られた人たちが殺到し、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの紙類が品切れとなる事態も発生しています。
ニコルソンさんも、物資の不足に苦しめられた経験がありました。
東日本大震災の発生時には、ガソリン不足に苦しめられた
2011年3月11日に発生した東日本大震災。宮城県の海沿いの町、山元町にあるニコルソンさんの実家は、津波によって大きな被害を受けてしまいました。
地震発生時、通院のため外出していたニコルソンさんの祖母「婆ルソン」と、母親の「母ルソン」は帰宅。大きな揺れからしばらくしてやって来た津波に家は流され、ふたりは2階に避難し一夜を過ごすことに。その後、避難所生活を送っていました。
東京にいたニコルソンさんは、ふたりの安否が分からない状況。すぐに迎えに行きたくとも、ガソリンが手に入らず、車を出すことができなかったのです。
9日以上が経ち、ようやく連絡が取れて安堵したのもつかの間、婆ルに異変が現れてしまいます。母ルに向かって婆ルが口にしたのは「あんた誰だっけねぇ」。
「家に戻りたい」という婆ルのため、家を再建したエピソードを描いたマンガ『ナガサレール イエタテール』は、2013年3月に発売されました。TVでも紹介された話題作です。
2020年3月3日(火)、後日譚となる描き下ろしを加え『ナガサレール イエタテール 完全版』として新たに発売。「重版」ではなく、「完全版」として新規に発売された理由は、ニコルソンさんによって語られています。
東日本大震災から、9年。震災による被害と、婆ルの認知症というニコ家の困難がコミカルに描かれた、今読んでおきたい実録マンガです。
(マグミクス編集部)