いよいよ連載再開! 作者・武井宏之が語る『シャーマンキング』の今後【インタビュー前編】
講談社のマンガアプリ「マガポケ」にて、『SHAMAN KING THE SUPER STAR』が連載再開されます。すでに最終廻までのネームは完成し、新章の構想も固まっているといいます。作者の武井宏之先生にお話を聞きました。
「最終話までネーム完成」に大きな手応え
マグミクスにおける連載「シャーマンキング30周年への情熱」は、久しぶりの更新となりました。今回はそのブランクを補って余りある内容でお届けします。『SHAMAN KING THE SUPER STAR』の連載再開を中心に、原作者・武井宏之先生に近況や今後の展望などについてお聞きしてきました! 前後編の2回に分けてお送りします。
(取材・執筆:タシロハヤト/編集:マグミクス編集部。講談社編集担当のY田氏にも同席してもらいました)
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――前回インタビューをさせていただいてから早いもので1年が経ち、その間にいろいろなことがありました。掲載誌だったマガジンエッジの休刊、講談社マンガアプリ『マガポケ』への移籍、そして「『SHAMAN KING THE SUPER STAR』のネームが最終話まで完成した」というお知らせ、さらに、に大分県玖珠町の地方創生プロジェクト企画に参加して描き下ろされたマンガ『イベンチュア-KURUSHIMA BOOK-』の無料配信ですね。しかし何はともあれネームの完成、おめでとうございます!
武井宏之(以下敬称略) やっと『SHAMAN KING FLOWERS』の決着がつけられたよね。まだネーム終わっただけだけど。
――でも『SUPER STAR』にはそういう目的もあったとおっしゃっていたので、それは大きな意味があると思います! それにしても、これで読者の期待感も一気に高まりましたね! それにしても、残り全話のネームというのは大変だったのではないですか?
武井 初の試みでしたね。今までは毎号毎号1話ずつ作るようなやり方をしていたので、こう、行き先がぶれてしまうことがあって……なので今回は初めて結末までちゃんと書いて、そこから作画をするということをやってみました。
――え、これまでマンガを描かれてきたなかで、すべてにおいて初めてなんですか?
武井 たぶん初めてです。ネームまで全部終わってから書いたっていうのは。『シャーマンキング 完全版』(JUMP COMICS 全27巻 ※現在廃盤)の時ですら、1話ずつやってたと思う。忘れたけど。
編集部Y田(以下敬称略) うわああ! そうだったんですか! それでページ数合わせたんですか!? 奇跡ですね!
武井 たまたまページに収まる天の助けはよくある。(ページの)数えまちがいで困ることもよくあるけどね(笑)
――それを今回やってみていかがでしたか? 例えば作家さん自身が探していた答えを連載のなかで見つけていくといった、ライブ感のなかでこそのひらめきみたいなものもあったと思うのですが、それと比べて……。
武井 凄くよかったと思います。最終回までを考えるなかで、途中まで考えて最初の方を直すとか、結構調整ができたので。一度載ってしまったらできませんからね。ちゃんとした「もの作り」したな、という感触があります。「この先ちゃんと着地するのだろうか」みたいな心配がないのがいい(笑)
――これは、今後の新章『SKY』(『SHAMAN KING YARD』)の作り方にも影響がありそうでしょうか?
武井 あると思います。今後は単行本1冊ずつネームをやったら作画に入る……みたいな流れにできたら凄くいいですね。忙しくなるとうまく行かなくなるのかもしれないけど、次のシリーズは前々から言ってる通り、「ちゃんとした少年マンガ」が目標なのでしっかり作りたいですね。ファンじゃなくても読めるレベルの。
――確かに仰ってましたよね! 今から楽しみです! しかし『SKY』の前に『SUPER STAR』ですけれども、連載再開がいよいよ迫っていますね!
Y田 はい、2024年8月24日の0時ですね。以降毎週土曜日更新です。24日に最新話が2話載ります。うち1話は無料掲載、もう1話は先読みするには課金をお願いします、というスタイルです。そこから毎週更新されていきます。
武井 お待たせして本当に申し訳ないと思いながら、作画は今、割とリアルタイムでやってます。追いつかれないかちょっと心配ですね。
――今年の前半は、そうした動きがあったなかで『イベンチュア-KURUSHIMA BOOK-』も描かれたわけですが、あれはどういう経緯で参加することになったんでしょうか?
武井 集英社の元々の担当さんから「こういうお仕事があるんですが……」というご連絡があったんですよね。よくね、集英社と喧嘩しただとか言われますけど、まったくそんなことなく普通にお仕事させていただいてます。友達の先生ともよく会うし、たのまれたら何でもやる(笑)。『イベンチュア』はデザインとか世界観とか、しっかりそういうところからやらせていただきました。
――『イベンチュア』を拝見すると、『SHAMAN KING』との共通点みたいなものを感じますが、そういうところにも関係があるかもしれないんですね。次はこのあたりのことを『SUPER STAR』の内容と絡めてお聞きしたいと思います。