いよいよ連載再開! 作者・武井宏之が語る『シャーマンキング』の今後【インタビュー前編】
「シャーマン」の本質に迫りたい
――『SUPER STAR』最新話までの時点で、たくさん人物や神様が登場していますね。敵も味方も合わせて、こういう人たちがフラワー・オブ・メイズ(歴代シャーマンキング同士の代理戦争)に参加するんだろう……という顔見せの意味もあって、京都タワーに集まってきていると思うんですが、これは今後どうなっていくんでしょう?
武井 実はまだ全然足りなくて、出したいキャラがまだまだたくさんいるんです。ただ神様は多いんだけど、シャーマンにまつわる話が逆に少ないんですよね。そもそものシャーマンのことを掘り損ねている点が多くてですね……なので『SKY』ではもっと、シャーマンの本質に迫っていくようにしたいと思っているんです。
それで、ここから先は目の前にいっぱい神様がいるけど、最終的にそれがどうなっていくのか……というのを描いていく予定です。詳しく言っちゃうとネタバレになるのであまり言えないけど……。
――ああ、その辺はもしかしたら、同時進行で描かれている中泉八雲との話の方で、道黽(タオメン)、麻倉葉羽、伊吹ガッコが何かに気付き始めている……みたいな流れになるでしょうか。Y田さんはネームを読まれたと思うんですが、どのような感想を持たれていますか?
Y田 麻倉花は、『SUPER STAR』が始まった当初、目的が定まっていなくて自主的に動かないキャラだったんですが、京都編になってようやく、諸々のバトンが渡っていくような流れになっていました。これが連載再開後はさらにどんどん渡っていく流れになります。最終回のあたりになると、新章『SKY』を迎える時にはちゃんと主人公として、なんというか、義務教育課程を卒業して「俺は高校生として新章に進学するぞ!」っていう意思表示をしているように感じられます。
主人公として独り立ちしたな、という象徴的なコマもセリフもあるので、それを見ていただければ、『SHAMAN KING』が花という次世代につながったことがわかっていただけるんじゃないかと思います。
――なるほど! それはファンの多くが待っていたものでしょうね! 連載が再開したらメチャクチャ楽しくなりそうです。ところでここで『イベンチュア』とも絡めてお聞きしたいのですが、同作には「鬼」が出てくるという、『SHAMAN KING』との共通点があります。同作の世界観は『SHAMAN KING』とつながっているのでしょうか?
武井 ああ、そういうのはまったくないです。別世界と考えてください。でも僕が作ってるものの根底は全部つながってますよ。同じ土壌で成り立つものだと思います。(キャラや世界観が)お互いの作品に出ることは基本ないと思いますけど、共通のものとして作っています。作品のあり方に対してだけは嘘はつかない。
――だからでしょうか。『イベンチュア』における久留島武彦は子供たちに「良いココロ」を持ってもらうために物語を伝え続けようとしていますが、状況はかなり絶望的……それでも諦めない。「自分の心次第」ということが描かれ、主人公の少年もそこに気付く流れになっています。一方『SUPER STAR』でも、ニュートランスに目覚めた道黽が「神は自分の中にある」「世界は自分が作り出している」と、似たようなことに気付いています。私はそこに共通点があるように読めたんですね。
武井 それはまったくそうですね。ここから掘っていく話が『SKY』のメインテーマです。
――ところで全然話は変わるんですが、先生は最近出て来た神様、もしくはキャラで好きなものは何ですか?
武井 カーリーちゃん、かな?
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武井先生にお話を聞きにいくと、ひとつの話題が何倍にも膨らみ、なかなかまとめるのが難しくなります(笑)が、後編では、新章『SKY』こと、『SHAMAN KING YARD』について深掘りしていきますので、ご期待ください!
(タシロハヤト)