【漫画】性被害のトラウマ治療中に知る、“原因は親”? 「お前が悪い」「泣くな」大人になっても影響していた!
性被害のトラウマ治療を受ける漫画家の三森みささんは、トラウマは親子関係の問題も関わっていることを知ります。自律神経が未発達な子供は自分自身で気持ちを上手にコントロールできないというのです。養育者のサポートがなく成長してしまうと、ストレスにうまく対応できなくなってしまい……。作者の三森みささんにお話を聞きました。
複雑すぎるトラウマの要因
漫画家の三森みささん(@mimorimisa)は性被害のトラウマ治療を受け、トラウマは親子関係の問題も関わっていることを知ります。自律神経が未発達な子供は、気持ちを上手にコントロールできないというのです。
そして養育者のサポートがなく成長してしまうと、ストレスにうまく対応できなくなってしまいます。自己調整ができないまま大人になると他人などの「外側」に調整を求めるようになり、対人関係や社会生活にも影響が出てきてしまいます。
三森みささんが「子どものトラウマは大人になっても大きく影響する」としてX(旧:Twitter)掲載した『いいかげんに生きづらさを終わらせたい:トラウマ治療体験記』が話題です。いいね数は3.4万を超えており、読者からは「とても理解できた。このような経験を持つ人びとの支援や理解が大切ですね」「受け止めてもらえず孤立感が積み重なると生きづらくなりますよね」「30代くらいまでは何があろうと本当に怒りを外に出すことができませんでした。刺さり過ぎました……!」などの声があがっています。
漫画家でイラストレーターの三森みささんは、依存症やトラウマの啓発活動を精力的に行っています。今作が収録されている書籍『いいかげんに生きづらさを終わらせたい:トラウマ治療体験記』は2024年7月13日に発売されました。性被害のフラッシュバックに苦しみ、最新心理療法「トラウマ治療」を受けた実体験を臨床心理士監修のもとで執筆されたマンガです。
作者の三森みささんにお話を聞きました。
ーー実際に経験された貴重なエピソードを共有して下さりありがとうございます。今作『子どものトラウマは大人になっても大きく影響する』を描いた理由や、作品に込めた思いなどを教えて下さい。
もともと、クラウドファンディングで制作していた、トラウマ治療の体験マンガのエピソードのひとつとして描きました。
虐待をはじめとした子供の頃の影響は、ときとして長期にわたって続いていき、非常に複雑な問題を抱えていくことになります。自分の気持ちの問題という形で解決できるほど簡単なものではありません。多くの人に治療の実態やなぜそんな状態になるのか理解してもらいたくて描きました。
ーーとても繊細な内容だと思いますが、今作を描くうえで工夫した点や、こだわったポイント、思い入れのあるシーンなどはありますか?
とにかく大量の情報をどうさばくか、どう入れるかに頭をかなり使った思い出があります。自分の生育歴の問題も説明しないといけないのですが、そこは見てほしいところではないので、できるだけカットしつつ、悩まれている方にとってほしい情報をチョイスしました。
ーートラウマで苦しんでいる読者の方もいらっしゃると思います。トラウマからの回復や克服への第一歩として、具体的にどのようなことをするのが大事だと思われますか?
本当の第一歩は自分自身の人生を何としても変えたい、と自分で決意することでしょうか。例えばこういったプロの門を叩くにしても、自分が変わりたい、って思えないと長い治療の時間は続けられないです。
ただ、その決意自体が運のよさとしか言いようがないのかなと感じます。何か痛い目にあったり、どこかで知識を手に入れたり、誰かのひと言で背中を押してもらったり、人それぞれです。
とはいえ、変わりたいと思っている人にとって、知識も、治療者も少なすぎるのが現状ですから、知識や「回復できる」という体験が広まり、それに触れることで少しでも背中を押していければと思っています。
●三森みささん 過去のインタビュー
「酔っていた」は言い訳にならない 性被害を受けた女性の実体験に「同性なのに知らなかった」
(マグミクス編集部)