PS3発売後、PS2を再び稼働させた『アマガミ』 強烈なヒロイン上崎裡沙の魅力
2009年3月19日、エンターブレインからプレイステーション2用恋愛シミュレーションゲーム『アマガミ』が発売されました。高校2年生のクリスマスを迎えるまでの40日間でヒロインを攻略するというベーシックなゲームですが、スムーズにいかないのが本作の魅力です。
PS3発売後に登場 PS2用恋愛シミュレーション
春と言えば出会いと別れの季節。学生にとって関わり深い卒業式や入学式をはじめ、きっと十人十色の思い出があるのではないでしょうか。
かくいう筆者も11年前、一本のゲームソフトと運命的な出会いを果たしました。その名は『アマガミ』。プレイステーション2(以下PS2)用ソフトとして発売された恋愛シミュレーション作品です。
本作が発売された2009年3月19日は、プレイステーション3(以下PS3)のロンチから2年と数か月が経過していたからか、PS2の新作ソフト発売数は全盛期から減少しつつありました。そのような状況下で当時の筆者もPS3へと移行し始めていましたが、『アマガミ』を手にとった結果、その後もPS2を現役で稼働させることになったのです。
本作はジャンルの通り、学校生活における恋愛がメイン。主人公は過去のトラウマを払拭できず、クリスマスに苦手意識を持った男子高校生です。プレイヤーは彼を操作し、高校2年生のクリスマスを迎えるまでの40日間でヒロインを攻略する……というのがベーシックな流れ。授業間やお昼休み、放課後といった隙間時間を利用し、学校内のヒロインと親睦を深めていきます。
しかし、そうスムーズにいかないのが本作の難しさでもあり大きな魅力。というのも、彼女たちとの関係を進展させるためには、「会話モード」をこなす必要があるからです。それも単に右から左へ受け流す会話ではなく、ヒロインが好きそうな話題を能動的に選択する仕組み。まず世間話で場の雰囲気をグッとつかみ、ヒロインが食いつきそうな”食べ物”や”おしゃれ”の話題で関心を引く。会話のツボを押さえて良い雰囲気に持ち込んだら、すかさず”アタック”を選んでイベントシーンに持ち込む。同じ話題でもタイミング次第で不発に終わることもあれば、気持ちの高まり具合によって喜ばれる場合もあるなど、本当に目の前の人間としゃべっているような臨場感を味わうことができました。