『銀河鉄道999』長い旅路の果てに鉄郎は…あれ、TVアニメ版ってハーロックいたっけ?
TVアニメ『銀河鉄道999』にて、さまざまな経験を得て成長した主人公の鉄郎が迎えた結末は広く知られています。とはいえ、同時期に劇場版も2作、公開されていました。その記憶、本当にTVアニメ版のものでしょうか。
多くの少年少女が宇宙への冒険に憧れた

TVアニメ『銀河鉄道999』は、主人公の「星野鉄郎」が機械の体をもらうため、謎の美女「メーテル」に導かれて銀河を走る汽車「銀河鉄道999」に乗り込み、遥か彼方の星を目指し冒険の旅に出る物語です。全113話+TVスペシャル回が1978年9月よりおよそ3年半にわたり放送されました。その長い長い旅路の果てに鉄郎が迎えた結末はご存じのとおりです。でもその記憶、劇場版とごっちゃになっていませんか。
TVシリーズを含む鉄郎の最初の旅は、現在「アンドロメダ編」と呼称されています。これは原作者の松本零士先生が1996年に連載を再開し、後に劇場版『銀河鉄道999 エターナルファンタジー』が制作されたことから付けられました。
それにしても、改めて考えると『銀河鉄道999』の壮大なスケールに想いを馳せたくなります。母を殺された少年がタダで機械の体がもらえる星を目指し、美女とともに宙を駆ける列車で旅に出る……ノスタルジーを感じる風景の数々や、人びととの別れの表情、感情をこと細かに描き出してセンチメンタルを駆り立てるその作風は、観た方の多くに強烈な印象を与えたのではないでしょうか。
そして鉄郎の最初の旅にも、ついに終わりの訪れる時がやってきました。TVアニメ版最終回のひとつ前「第112話 青春の幻影 さらば999 前編」で、終着駅の「惑星プロメシューム」へと到着します。当初の目的であった、「機械の体をタダでくれる星」です。しかし鉄郎はそれまでの旅路のなかで、人生とは限りある美しさこそが素晴らしいことを悟っており、メーテルに対し機械の体を拒否すると伝えたのです。
惑星プロメシュームを支配する、メーテルの母にして機械帝国の女王「プロメシューム」は、自らに逆らった鉄郎を「999」ごとブラックホールへと葬ろうと画策します。しかしメーテルは父親である「バン」とともにプロメシュームに反逆して鉄郎を救出、命がけでこれを打ち倒しました。ところが、プロメシュームの最期の悪あがきで、星ごとブラックホールへと引きずり込まれていきます。
かろうじて999で脱出した鉄郎とメーテルは、惑星「こうもり」駅に到着、「ふたりの旅」を終え、それぞれ別々の列車に乗り、お互いを涙ながらに見つめながら別れるのでした。