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視聴率が全ての世界? 反ウルトラマンだったのが、結局似てしまった『ミラーマン』

ウルトラマンの設定に甘えたのに結果は?

DVD「ジャンボーグA VOL.2」DVD(東映)
DVD「ジャンボーグA VOL.2」DVD(東映)

『ウルトラマン』とは別路線のヒーローとして始まった『ミラーマン』は大改変の際、インベーダーに基地を襲撃されたSGMは全滅したかと思わせて、秘かに地下に増設された基地に隠れていました。そして、戦闘機「ジャンボフェニックス」に乗った隊員たちが現れ、ミラーマンを助けてインベーダーを攻撃します。調査研究組織だったはずが、武装組織にパワーアップしていたのです。また、京太郎もカメラマンを続けながら、特別隊員としてSGMのメンバーになりました。

 さらに、京太郎がインベーダーの陰謀によって時限爆弾を仕掛けられたことで、ミラーマンに変身して時間切れになると爆死するという設定が加えられます。そして、京太郎は父からタイムリミットを知らせる「カラータイマー」を授けられるのです。

 ここまでの説明で気付いたと思いますが、冒頭で記したように、てこ入れの結果『ミラーマン』は設定がほぼ『ウルトラマン』と同じになってしまったのです。

 しかし、てこ入れ後の状況は、ある程度の視聴率回復に留まり、『シルバー仮面』終了後に始まった『アイアンキング』の視聴率よりも劣る結果となります。最終回で17.8%の視聴率を獲得するまでは低迷したままであり、そういった実状を踏まえ、『ミラーマン』はシリーズ化することはありませんでした。

 とはいっても『ミラーマン』が何も爪あと残さなかったのか、といわれたら決してそんなことはありません。てこ入れによって誕生した武装組織のSGMは、円谷プロが他局で製作した1973年放送の『ジャンボーグA』に登場しました。第32話から、『ジャンボーグA』の組織「PAT」にSGMのメンバーがジャンボフェニックスとともに参戦したのです。

 他局のドラマにもかかわらず、『ミラーマン』の世界と奇跡のリンクを果たしたのは、主要スタッフ陣が『ミラーマン』と全く同じだったからこそでした。

 結果だけを見れば、『ミラーマン』は「成功した特撮ドラマ」とは言い難いかもしれませんが、裏事情が分かることで、愛着が湧いてくるものです。てこ入れがあった背景を踏まえ、もう1度『ミラーマン』を視聴すれば、印象がガラッと変わるかもしれません。

(LUIS FIELD)

【画像】え…奇跡の共演? これがジャンボーグAとミラーマンの並ぶ姿です(3枚)

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