「みんな幸せ」になったけど読者は「えッ」 人気マンガの賛否あったラストとは
ハッピーエンドだけどモヤモヤな急展開で炎上?

●『東京卍リベンジャーズ』
結末が急展開で読者に衝撃を与えたのが、和久井健先生によるマンガ『東京卍リベンジャーズ』です。半グレグループの抗争に巻き込まれたかつての恋人の死を知った後、タイムリープ能力に目覚めた主人公「花垣武道(タケミチ)」が中学時代に戻り、最悪の未来を変えるために奮闘する様子が描かれました。
困難に立ち向かい成長するタケミチや、未来で凶悪な半グレ組織になってしまう不良チーム「東京卍會」の仲間たちとの熱い友情、ヤンキー同士の激しいバトル、そして徐々に謎が明かされていくサスペンス展開などで、社会的ブームを起こすほどの人気を集めた作品でした。
ところが原作マンガは最終章の急展開により、一部で炎上する結末を迎えます。それは、中学時代にタイムリープしていたタケミチが、最後の最後のタイムリープで助けようとしていた東京卍會総長「佐野万次郎」と一緒に小学1年生時代に戻り、ふたりがその後の数々の悲劇を起こさないように行動して、急ピッチで現代まで進行するというものでした。その過程はダイジェスト的に描かれ、最後はそれまでの物語で死んでいたキャラクターも含め、全員が幸せになったことが分かる形で幕を閉じています。
登場人物の生死に関わる重要な出来事や壮絶な経験から得た成長など、それまでの積み重ねをなかったことするような展開に対し、「今まで読んできたのは何だったんだろう」「ハッピーエンドが唐突すぎ」「みんな幸せになってほしいと思ってたけど、これは……」などと言われる結果になりました。アニメ化や実写映画化、舞台化などメディアミックスもされている人気作品なだけに、ラストの物足りなさが際立ってしまったといえるでしょう。
(LUIS FIELD)