お、お前「丸く」なったな… 「再登場」版が弱くて衝撃だったウルトラ怪獣
ウルトラシリーズにはさまざまな怪獣や宇宙人が登場し、各世代のウルトラマンたちが彼らによって苦しめられました。なかには、再登場する怪獣もいましたが、初登場の時よりも強さが目立たなかったり、脇役になったりなど、残念な姿をさらしたパターンもあったのです。
初代ウルトラマンを倒した最強怪獣が?
長年続くウルトラシリーズの魅力は、各年代の「ウルトラマン」たちが悪を倒す姿はもちろん、やはり、敵役である多種多様な怪獣や宇宙人のビジュアル、その強さも挙げられるでしょう。ファンの方それぞれに、推しの敵キャラも多いかと思います。
ただ、ウルトラシリーズでは、過去の作品に出ていた怪獣や宇宙人が、改めて再登場することもあり、その際に弱体化した姿が描かれることもありました。強かった敵キャラがあっさりやられてしまうと、その呆気なさに切なさを感じるものです。
たとえば、1966年に放送された『ウルトラマン』の最終話に登場した「ゼットン」も当てはまるのではないでしょうか。初登場時はウルトラマンが手も足も出ないほどの強さで、当時の視聴者に衝撃を与えました。個人的にもウルトラシリーズの最強怪獣といえば、真っ先にゼットンの名が思い浮かびます。
しかし、1971年『帰ってきたウルトラマン』の第51話「ウルトラ5つの誓い」に、いわゆる「2代目ゼットン」として再登場した際には、「ウルトラマンジャック」にあっさりと倒されてしまいます。しかも、デザインは初代と比べて全体的に丸みを帯びてかわいさが増す印象となり、見た目からもかつての強さは感じられませんでした。初代とは別物と言われてしまえばそれまでですが、最強と言われたゼットンとは思えないほどの幕切れに、ショックを受けた人も多かったことでしょう。
また、ウルトラマンと対峙した宇宙人のなかで、特に知名度が高い「バルタン星人」も弱体化していきました。初代『ウルトラマン』の第2話「侵略者を撃て」に登場した際は、バルタン星人は発狂した科学者が行った核実験によって故郷「バルタン」を失っており、移住先として降り立った地球でウルトラマンたちと戦いを繰り広げました。
その後、バルタン星人は人気を得たのか、第16話「科特隊宇宙へ」で再登場を果たします。メインの敵として2度も描かれたものの、第33話「禁じられた言葉」では、「メフィラス星人」の手下として、「ケムール人」、「ザラブ星人」と一緒に3代目バルタン星人が登場しました。
メフィラス星人が地球人たちに揺さぶりをかけるための「幻影」だったという説もありますが、部下である以上バルタン星人はメフィラス星人よりも格下で、敵キャラの強さとして優劣が示されることになったのです。
「バルタンがメフィラスの手下になったのは、子供ながらに『それはちょっと……』って感じたな」「狙いとしてはもちろん『バルタンやザラブやケムールを手下にしているメフィラスすごい』なんだろうけど、自分には『あんなにすごかったバルタンやザラブがあんなやつの手下になって……』と思えてしまった」と、ネット上で当時を振り返り残念がる声も少なくありません。
ほかの弱体化した怪獣といえば、『帰ってきたウルトラマン』の第33話「怪獣使いと少年」に登場した「ムルチ」も外せません。凶暴なムルチは「メイツ星人」によって封印されていたのですが、メイツ星人が地球人に殺されてしまったため、封印が解けて地底から姿を現します。そして、町を破壊し、さらに火を噴いて人間を襲うのでした。
その凶暴なムルチは、2代目として『ウルトラマンA』の第8話「太陽の命 エースの命」に再登場します。ただ、「メトロン星人Jr」や「ドラゴリー」と共闘して「ウルトラマンA」と対戦するも、ムルチの攻撃はAにかわされ、そのままドラゴリーに当たってしまいました。その攻撃に激怒したドラゴリーは、ムルチを下あごから引き裂いて殺してしまうのです。
封印されるほど厄介な怪獣だったムルチが、ウルトラマン側の攻撃以外でこうもあっさりとやられてしまうと、「あの時の強さは何だったのだろうか」と感じてしまいます。視聴者として、切なく思ってしまう結末でした。みなさんは、弱体化した怪獣や宇宙人と聞いて、どの敵キャラを思い出したでしょうか。
(LUIS FIELD)